佐藤優氏、タリバン勝利宣言で「国際社会は大混乱に陥る」〜8月20日「くにまるジャパン極」

佐藤優氏、タリバン勝利宣言で「国際社会は大混乱に陥る」〜8月20日「くにまるジャパン極」

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アフガニスタンからアメリカ軍が撤退し、イスラム主義組織タリバンが勝利を宣言した。これについて、元外交官で作家の佐藤優​氏は以前からタリバンの攻勢を指摘していた。その裏側と今後の政界情勢について8月20日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で解説した。

佐藤氏は7月16日の放送時点で、すでにアメリカ軍の撤退によってタリバン勢力が拡大すると指摘していたが、どうやって事前に情報を得ていたのか?

佐藤氏「私が以前このラジオの中で披露したのは、実はロシア大統領府の情報なんです。6月16日にスイスのジュネーブで米ロ首脳会談が行われたとき、ロシアの外務省とアメリカの国務省の間で、“アフガニスタンが大変になる”と事務方たちが協議をしていました。ところが首脳会談では、バイデン大統領は一言も言わない。そこで、モスクワが全力を挙げて情報収集をし始め、日本をはじめいくつかの国に情報を流したんです。だから日本も情報が遅れることなく大使館員も逃げ出すことができました。」

そして、タリバンの動向についてこう解説した。

佐藤氏「タリバンは近いうちに、アフガニスタンイスラム首長国の成立を正式に宣言します。このアフガニスタンイスラム首長国は、周辺の国に対して国家主権を尊重するから侵略やテロはやらないと言って、これは本当に守ると思います。その代わり、アフガニスタンにいる5000人ぐらいのイスラム国の戦闘員が、外国に出てテロをやることは応援します。これは旧ソビエトと似ているんです。」

タリバンと旧ソビエトにはどんな類似点があるのか?

佐藤氏「旧ソビエトという国は、他の国との関係においては主権を守り、共産主義革命をそそのかしたり支援はしないとしていました。ところがモスクワにはコミンテルン=国際共産党というのがあって、その支部が各国にあるんです。そこにお金を送って、革命の指令を出していました。これはコミンテルンがやっていることでソ連は関係ないとしていましたが実際にソ連がお金を流しているんです。これと同じことをやっていきます。」

さらに佐藤氏は、これからの世界情勢が大混乱すると推測する。

佐藤氏「イスラム首長国というのは、本来“国”は関係なく、世界をたった一つの“国”にするという考え方です。だからそういう拠点が中央アジアにできた場合は国際社会が大混乱します。」

タリバン政権の行方はどうなるのか、世界中の注目が集まっている。

<参考ニュース>
【カブール、ワシントン共同】アフガニスタンの首都カブールを掌握した反政府武装勢力タリバンは「アフガン戦争は終結した」と宣言した。ロイター通信などによると、タリバン側は16日、政権を整える前に「全ての駐留外国軍の撤退を望む」と主張した。一方で国際社会との関係構築を目指すと表明。融和姿勢も見せることで、旧政権時代にイスラム教の厳格適用を主張し女性の権利を抑圧したことへの懸念払拭を狙う構えだ。01年の米中枢同時テロ後の米英軍の攻撃で旧政権が崩壊したタリバンは、駐留米軍の撤退完了前に武力で民主政権を瓦解させた。バイデン米政権にとり約20年ぶりの復権を許す誤算。
(共同通信ニュースより)

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。佐藤優氏は第1・第3・第5金曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 

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