ワクチン「供給格差」あるのに…「3回目接種」本当に必要か? ~8月20日「おはよう寺ちゃん」
8月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、金曜コメンテーターのエコノミスト・会田卓司氏が、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人の免疫強化のためにおこなう3回目の追加接種「ブースター接種」の有効性について、トークを展開した。
WHO「ブースター接種の必要性を裏付ける確かな科学的根拠はない」
アメリカ・バイデン政権は、新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大を食い止めるため、9月下旬から3回目のワクチン追加接種「ブースター接種」を開始すると発表した。ドイツ、フランスも9月から高齢者などを対象にブースター接種を始めて、イギリスも検討中だ。
「アメリカやヨーロッパは3回目の追加接種で、経済を維持する方針のようなのですが、このあたりいかがでしょう?」(寺島アナ)
意見を求められた会田氏は、「やはり、コロナと共生しながら経済活動を維持するという方針なのだと思います。新規感染者が増えたりしていますが、その一方で、経済活動の規制は緩和しています。十分な医療体制を政府の強い指導のもとで維持できる、という自信があるんだと思います」と見解を述べた。
「なるほど。もうゼロコロナではなく、ウィズコロナなんだと、欧米では常識となっているということなんでしょうね。感染者はある程度増えても仕方ない。重症化しないためには3回目の接種が必要。だから打つんだ。こういうことなんでしょうね」(寺島アナ)
一方、世界で新型コロナウイルスワクチンの供給格差が一段と広がる懸念が強まっている。国際的な枠組みを通じた途上国などへの分配は目標の1割と、低迷が続いている。
WHO(世界保険機関)は「ブースター接種の必要性を裏付ける確かな科学的根拠はない。ワクチンの供給格差を長引かせるだけだ。ブースター接種を一時的にやめて、医療関係者の接種さえ終わっていない国にワクチンを回すべき」という。
「WHOはこのようにブースター接種を批判しているんですけども、これはどうでしょう?」(寺島アナ)
「人口100人あたりの接種回数は、高所得国が100回を超えているのに対し、低所得国は1.8回と大きな差ができています。途上国で接種の遅れで感染拡大が止まらないという状況ですと、新たな変異株が誕生してコロナの収束が遠のいてしまう、というリスクがあります。さらに今回も、東南アジアで感染が広がって車の部品の生産に問題が出たり、サプライチェーンを通じて影響が出てきたりします。そのため、ワクチン支援が急務ですし、先進国はワクチンの生産や開発により力を入れないといけないと思います」(会田氏)
「COVAX(コバックス)という組織が、なかなか入手できない新型コロナウイルスのワクチンを国に供給する役割を担っているということです。(中略)。これはどうすればいいんでしょうか? いくら、ウイズコロナと言っても、ずっと変異株の驚異と戦っていかないといけません。WHOも含めて世界各国で考えていかなければいけない問題だと、あらためてわかりますね」(寺島アナ)
収束の見えないこの人類最大の問題について、世界が一体となって取り組むことが大切だ。
<参考ニュース>
【ワシントン共同】バイデン米大統領は18日、ホワイトハウスで演説し、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を9月20日以降に開始すると発表した。米ファイザーとモデルナ製の2回目接種から8カ月たった18歳以上が対象。インド由来のデルタ株感染者の急増や、接種後の時間経過に伴う効果の低下を示すデータを踏まえた。 バイデン氏は国民をウイルスから守る決意を示し「最大限の防護を与える責任がある」と強調した。3回目接種はイスラエルで既に本格化し、ドイツ、スウェーデンは実施を決定。先進国で主流となってワクチンが偏在し、不足する途上国との格差が拡大する恐れもある。
(共同通信ニュースより)
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