土砂災害を防ぐ“自伐型林業”って何?協会の人に話を聞いた!〜8月11日「くにまるジャパン極」

土砂災害を防ぐ“自伐型林業”って何?協会の人に話を聞いた!〜8月11日「くにまるジャパン極」

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”ウッドショック”という言葉をご存知だろうか?輸入木材の価格が高騰していることを指し、かつてのオイルショックになぞらえて名付けられたものだ。今、新型コロナウイルスの影響により、アメリカ、中国の需要が高まったことから、輸入木材が調達しにくくなり、住宅業界に深刻な影響を与えているという。8月11日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、NPO法人自伐型林業推進協会の上垣喜寛氏をゲストに迎え、日本の林業の問題点と土砂災害を防ぐ自伐型林業について詳しく話を聞いた。

現在、日本の自給率は4割弱程度で、6割強を輸入材に頼っているという。そもそもなぜ、日本の林業が衰退したか?上垣喜寛氏が説明した。

上垣氏「一番は木材の価格が下がったこと。ピークの時は、単位当たり4万円していたものが1万円を切っています。もう1つの理由が山を持ってる人、地主と林業者が切り離す形になっていること。山を持ってる人は統計上80万人以上います。一方、林業従事者は4万5千人。山を持ってる人は何もしないで、林業者に任せる。山をやらない人が増えてしまったから、誰も手が付けられなくなったんです。」

林業のやり方には、「皆伐」と「自伐」があるという。まずは、皆伐とはどんなものか上垣氏が説明した。

上垣氏「皆伐というのは、全部切ってしまう方法。一気に切るので生産性、効率が良い。しかし、木には保水力があり、木を切ると山は保水力がなくなり、地滑りの原因になります。また、木を切るために大きな道を作ります。これは1回しか使わない道。山を守るための道というよりも山を開発ための道なのです。」

と、皆伐の問題点を指摘する。一方、自伐とはどんなものなのか?

上垣氏「自伐は、切るだけじゃない。山に入るための小さな道を作る。木を出すこともするし、自分で販売する。山林を持つ人はもちろん、地域住民も加わって山を作っていく形です。大きな林業は林業者があらゆる所に行き、行っては次の現場にと転々とする。自伐のほうは、ここでずっと収入を上げ続けていく、山を管理していく、100年200年やっていく、土着的なものなんです。」

これを聞いたジャーナリストの二木啓孝氏は「べらぼう儲かるわけじゃないけど、自分が林業に携わってそれで食べながら山林と自然を保護できる。それが自伐型ですね」と補足した。

上垣氏は全国各地で自伐型林業を教えられる組織を支援している。では、どんな人が自伐型林業に参加しているのか?

上垣氏「20代というよりは、30代、40代の方が多いですね。何か別の仕事を持ちながら家計を安定させるという形でライフスタイルの中に林業を取り込んでいく。それがぴったりなのが地域による自伐型林業です。」

上垣氏の林業をライフスタイルに取り込むという考えに、スタジオ一同、深く共感した。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。二木啓孝氏は毎週水曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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