東京五輪「来日」で選手亡命、行方不明に 世界で増加する難民 ~8月3日「おはよう寺ちゃん」
8月3日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、「オリンピックを通じて注目される難民問題」のテーマが取り上げられ、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと火曜コメンテーターの上武大学教授・田中秀臣氏が議論を展開した。世界中で難民は増加傾向にあり、ただ受け入れるだけでなく、その後の生活を円滑に進められるような支援体制が重要となっている。
母国を追われる難民は8000万人以上
東京オリンピックでは、こんな問題が起きた。陸上女子100m予選に出場したベラルーシの選手がコーチ陣を批判したことで国から帰国を命じられたが、これを拒否してポーランドへの亡命を申請。在日ポーランド大使館はこれを受け入れた。また、ウガンダの重量挙げ選手が日本で働きたいと語り行方不明になる事例も発生している。
ベラルーシは反体制派のジャーナリストを拘束したことでEUから経済制裁を受けていることを踏まえて田中氏は、「ポーランドとしても隣国ということもありますし、反体制派に後押しをしていることもありますので、亡命を受け入れるのは理解できます。当初予想されたように推移していると思います」と分析する。
「今、世界には紛争・迫害などを理由に母国を追われる難民は8000万人以上いると言われていますが、この現状はどうでしょう?」(寺島アナ)
意見を求められた田中氏は、過去10年間で1000万人以上の水準で増えていることを伝え、同時に国際的な取り組みが求められる問題になっていると語る。
「受け入れた難民の人数分だけ、仕事を奪われるのではないか」との寺島アナの質問に田中氏は、「経済学者の実証分析によると、そういうことはないです。それよりも、難民の方々が受け入れ国の中でなじんでいけるのかどうか。あるいは、生活の基盤をつくることができるのかどうかが大きい問題です」と説明する。
「国際的な支援や受け入れ国の支援がちゃんとしていれば、その後の生活もスムーズに行って社会との摩擦も少なくなります」(田中氏)
議論では難民と移民の違いにも言及。「難民の方々は、その国で働こうと思って来ているわけではなく、やむに止まれず来ている方々が大半なわけですよね。それに対して、社会的に受け入れる体制をつくらないと、人道的な問題として国際的にも非難の対象になりますので、ちゃんとしなければならないですね」と田中氏は受け入れ体制の在り方を訴えた。
<参考ニュース>
東京五輪陸上女子ベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(24)が、コーチ批判を理由にチーム側に強制的に帰国させられそうになり拒否し、1日夜に羽田空港で警察や大会組織委員会に保護された。亡命を希望し、在日ベラルーシ人の支援者によると、2日に東京の在日ポーランド大使館に入った。ポーランド外務省高官は人道的査証(ビザ)を発給したと明らかにした。これに先立ちIOCのアダムス広報部長は2日の記者会見で、1日夜と2日朝にツィマノウスカヤと話したとし「彼女の決断を支援する」と述べた。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「現在は安全な状況」と強調した。
(共同通信ニュースより)
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