世界で進む「仮想通貨の二極化」ビットコイン採掘業者、中国からの大脱出 ~7月13日「おはよう寺ちゃん」
7月13日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)にて、日本経済新聞の記事「ビットコイン採掘業者 規制強化で脱中国」を取り上げる場面があった。これについて、寺島尚正アナウンサーと火曜コメンテーターの田中秀臣氏(経済学者・上武大学教授)が議論を展開。仮想通貨(暗号資産)をめぐる政府の対応は国によって大きく分かれそうだ。
民間の「草の根」から、中央銀行の「デジタル通貨」へ
「マイニング(採掘=仮想通貨データの計算により報酬を得ること)を行う採掘業者が、採掘シェア6割を超える中国から一斉に離脱。採掘速度を示す数値は半減しました。採掘業者の動向が、ビットコインや(マイニングに必要なPCパーツである)グラフィックボードの価格を乱高下させる一因となっています」(寺島アナ)
また、寺島アナは続けて、「10日に閉幕したG20(財務相・中央銀行総裁会議)では、『(価格を安定させた)グローバル・ステーブルコインは法律・規制が整のうまでサービスを開始すべきではない』という文言を声明に盛り込みました」とも説明する。
「仮想通貨とはですね、民間の草の根レベルで通貨を生み出そうという動きだったんですが、今の主流は中央銀行や政府が中心になって仮想通貨・暗号資産を作ろうとしている。そしてそれによって、どの国が覇権を握るのかという状況になっている。ヨーロッパ、アメリカ、そして日本、それぞれの中央銀行がデジタル通貨を発行して、現代の通貨と変わらないほどに利便性を上げて、各国政府・中央銀行が責任を持って発行する体制に移行していくのではないかと見ています」(田中氏)
寺島アナは続けて、供給量が絞られても価格が上がっていない点に言及。「採掘業者が保有するビットコインを処分するのではという懸念から、大口の投資家がビットコインを先回りして売り、価格は6月に3万ドルを割りました」(寺島アナ)。
しかしその一方で、新興国におけるビットコイン経済圏は拡大している。
「外貨を稼ぐ手段に乏しい新興国は、仮想通貨を産業として取り入れることに前向きです」(寺島アナ)
一連の説明を終えたところで「そうすると今後どうなるのでしょうか」との寺島アナの問いへ田中氏が、「市場の二分化が進みますよね」と答えた。「今のタックスヘイブン(租税回避地)的な、世界の主流とは違った感じで新興国・発展途上国が外貨稼ぎの手段になる。そして先進国は中央銀行が作ったデジタル資産を運用していくと。二極化が鮮明になりそうです」(田中氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 またYouTube公式チャンネルではLIVE配信と、放送後にアーカイブでお楽しみいただけます。
2021/07/13/火 05:00-06:00 | おはよう寺ちゃん 5時~6時 | 文化放送 | radiko
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