国の借金、過去最大1216兆4634億円「でも国債は悪ではない?」 ~7月9日「おはよう寺ちゃん」
7月9日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、金曜コメンテーターのエコノミスト・会田卓司氏が長い間日本の課題となっている国債問題について取り上げる場面があった。
会田卓司氏「60年償還ルールは、先進国では日本だけ」
コロナ禍が長期化する中、打撃を受けた家庭や企業への支援は必須だ。が、避けて通れないのは、財源についての議論。国債などの残高を合計した日本政府の借金は、2020年度末に過去最高の1216兆4634億円に達したという。
「このまま赤字国債依存体質が続けば、財政再建は遠のき、将来世代にしわ寄せがいく、という論調を耳にすることもあるわけなのですが、会田さん、グローバルスタンダードではどうなんですか?」と寺島アナが議題を振った。
会田氏はそれに対して「あまり知られていないのですが、グローバルスタンダードでは原則的に政府の債務は完全返済することはなく、永続的に借り換えされていて、債務残高が維持されていくものなんです。利払いを続けながら債務残高をどう維持していくか、というのが考え方です」という見方のコメントを発した。
「そうなんですか! なぜこの日本では借金=悪という考え方になっているのでしょう?」と寺島アナ。この疑問に対して会田氏は、次のように「日本独自のルール」を説明した。
「日本には財政赤字により発行した国債は60年で完全に償還することを定めた60年償還ルールというものがあります。そのため、毎年の予算に国債の利払い費だけでなく、償還費も計上しています。しかし、この考え方を持っているのは、先進国では日本だけなんです」(会田氏)
さらに「ではグローバルスタンダードでは国債は悪ではない、ということなのでしょうか?」と寺島アナが念押しすると、会田氏は「はい、国債は国の負債ではありますが、国民の資産でして、政府の過度の支出が景気加熱やインフレ高騰につながらない限りは悪いものではないという考え方がグローバルスタンダードです」と言い切った。
「ただ、コロナ対策でバンバン赤字国債を発行しているのを見ると、なんだか将来世代にしわ寄せが行きそうで悪いものである考え方なんですけど、これは変わっているものなんでしょうか?」(寺島アナ)
「どちらが正しいのかというのは、なかなか決着はつきません。ただ、もし日本に60年償還ルールがないと仮定し、日本の予算をグローバルスタンダードに準じる形にしてみると、国債に占める割合は9.3%(アメリカは5.3%)となり、実はそれほど高くはありません。(中略)年明けには、コロナ後の経済再生のために、大規模な経済対策を再度実施するべきだと思います。そうなりますと、借金を返済することに充てている消費税の内の2%~3%は引き下げができるはずですから、それも視野に入れてもらいたいと考えています」(会田氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 またYouTube公式チャンネルではLIVE配信と、放送後にアーカイブでお楽しみいただけます。
2021/07/09/金 05:00-06:00 | おはよう寺ちゃん 5時~6時 | 文化放送 | radiko
2021/07/09/金 06:00-07:00 | おはよう寺ちゃん 6時~7時 | 文化放送 | radiko