
トランプ大統領、日米安全保障条約を批判。1期目からの通常運転?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、4月23日の放送にキヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司が出演。アメリカのトランプ政権による関税問題、トランプ大統領が言及した日米安全保障条約の問題について解説した。
長野智子「これから本当に不透明な関税の問題です。16日に行われたトランプ大統領と赤澤経済再生担当大臣の会談。『格下』というワードも国会では批判されていました」
峯村健司「評論家の方も『なんだ、あれは』と言っていましたけど、格下ですよね、という話で。大統領との格は違うわけですから。トランプさんの部屋に行ったとき『なんで立たされる。屈辱的だ』と言う人もいましたけど、大谷翔平さんが2週間前に執務室へ行っている。行ったらああいうアングルで撮るんですよ。格上の人に表敬訪問するという立て付けなので、おかしいことではないんです」
長野「うん」
峯村「むしろいちゃもんつけるほうが『ん?』という感じはしますね」
長野「対面では日本が初めての相手だった。評価する声と様子を見るべきだったという声があります。峯村さんはどうご覧になっていますか?」
峯村「さっさと行うしかないですよね。なぜかといえばベッセント財務長官という、今回の関税のやりとりをするいちばんの責任者が『日本は先頭にいるんだ』と。名指ししたのは日本だけ、ということは最初に会わなきゃいけないんです。日本がこのディールを負けずにとれば、ジャパンモデルというかたちでほかの国に適応していく。ところがディールができない、失敗する、そうなるとトランプ政権だけでなくほかの国からも『何やっているんだ』という状況になる。日本がかなりの瀬戸際に立っている、というところです」
長野「アメリカは日本がくみしやすい相手だから、そこから、というところもある?」
峯村「同盟国ですし。その同盟国に関税かけるなよ、という点はありますけど。話をしやすい、というのもひとつです。あとはやはり中国です。中国とガチンコでやりたいとトランプ政権は思っている。中国の近隣で、そのライバルでもある日本と先に結ぶ、ということで中国に対する牽制というのが大きいと」
長野「そして気になるのが経済の取引や関税の話の中に安全保障条約を持ってきた、というところ。別にきちんと話し合うべきだと思うんですけど、どう見ていますか?」
峯村「これは本当に良くない。日本にとって不利な要素しかありません。同盟上でいうと安全保障というのは日本からアメリカに対して欠かせないものがたくさんあるわけです。関税と絡められると当然、日本は不利になるので切り離さないといけない。トランプさん、『日米安全保障はズルい、なぜ俺たちだけ守って……』と。1期目から言っているセリフなんですね」
長野「安倍さんがそれで説得というか、細かいことを教えた、と聞いたんですけど」
峯村「説得どころか。安倍さんが生前、いちばん話したのはそのことらしいんですよ。一方的にお願いするんじゃなくて。我々も駐留経費70%以上出しているわけだし。そういう意味ではアメリカを支えているのは我々である、と説明する」
長野「払う必要はないのに思いやり予算、と“思いやり”とつけてね」
峯村「いくら言っても、しばらくすると忘れて、言われるらしいんです。あえて言っているのかなあ。忘れているんじゃないか、と思うんですけど。同じことをまた言われる、それでももっとわかりやすく説明する、ということを4年間、ずっと繰り返していたようです。トランプさんの通常運転に戻った、という話なんですね」
「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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