「食料供給困難事態対策法」はツッコミどころ多し?

「食料供給困難事態対策法」はツッコミどころ多し?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、4月14日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。3月17日の番組で「じつは農水省、日本のコメの収穫量を正確に把握していない」「備蓄米を放出しても価格は下がらないのでは」と語った二木が、政府による「食料供給困難事態対策」について解説した。

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「政府は4月11日、食料危機に備える食料供給困難事態対策法の運用を定めた基本方針を閣議決定しました」

長野智子「困難事態は政府が招いているのでは? と名前にツッコみたくなるような基本方針、どういうものなんでしょうか?」

二木啓孝「なんでこんなに長ったらしい名前をつけるかね(笑)。食料供給困難事態対策法、簡単にいえば『備蓄米をもっと出しますよ法』なんです」

長野「はい」

二木「1回目の放出をしたけど(価格が)下がりません。毎月1回行います、ということで『どんどん出すから下げてね~』ということを言っているんですね。もう1つが農業政策基本計画。5年に1回出る、日本の農業をどうしようか、というのも閣議で了承された、というね」

長野「はい」

二木「コメ、食料をめぐる問題で政府はバタバタしている。コメの値上がりをどうしようか、と。根っこは、本当にコメがどれぐらいあるか、じつはつかんでいないということ」

長野「この間(3月17日)も話してくださいました」

二木「先月末、3月31日に『令和の百姓一揆』という集まりがありました。私も行きました。集まったのは4500人。これは農家の人だけでなく、消費者もいるし、扱う中間の業者も。青山公園で集まってトラクター30台を先頭に。青山や原宿を走る」

長野「ものすごい人数ですね」

二木「ほかの全国の13ヶ所でもトラクターと行進が行われる。もういい加減にしてくれ、というのが令和の百姓一揆。何を訴えたか、というと3つあって。1つは消費者に安定した食料を供給してほしい。2つ目が国は食料自給率をもっと上げてほしい。3つ目が、農民に欧米並みの所得補償をすべきだ、ということ」

長野「そのとおり!」

二木「このことを、いま政府がしていることと照らし合わせて検証したい。コメが上がったので備蓄米を21万トン放出したとき、江藤農水大臣はなんと言ったか。流通に目詰まりを起こしている、と」

長野「あ、言っていた」

二木「投機的な仲介業者が売りを信用しているから値段が上がっている、だから流通が目詰まりしているんだ、と。もう1回調べて。3月31日に農水省が発表したのは、じつは投機的な目詰まりではなく、生産者が9万トン、卸売業者が3万トン、小売や外食を含むのが7万トン。流通業者が広く薄く、少しずつ増やしていたのが原因だったと。つまり投機的ではなくて、それぞれ防衛してやっていたということ。目詰まりでもなんでもなかった」

長野「少しずつ在庫をそれぞれが増やしたんですね」

二木「そう。それは食料防衛になる。こうなったということ、新聞各社はほとんどモヤ~ッとしか書かない。目詰まりはウソだった、という見出しで書かないわけ」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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