「物価自体はまだ弱い」消費者物価指数、1年2ヶ月ぶり上昇を読み解く ~6月23日「おはよう寺ちゃん」
6月23日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、水曜コメンテーターの森永康平氏が、先月(2021年5月)の消費者物価指数が前年同月比0.1%上回ったニュースについて語り合う場面があった。
大切なのは「総合のデータ」
先月の家庭で消費するものやサービスの動きを見る消費者物価指数(CPI)について、生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月を0.1%上回り、1年2ヶ月ぶりに上昇した。原油価格の上昇に伴うガソリンや灯油の値上がりが主な要因とのこと。
これについて寺島アナが森永氏に率直な感想を求めると、「私は普段から物価に注目しているのですが、まずこのコアCPIと呼ばれる生鮮食品を除く物価が前年同月比で0.1%、1年2ヶ月ぶりに上昇したことについて、これはサプライズだったかというとそうではなく、事前にこうなると言われていた」と指摘する。
大切なのは総合のデータだとして、「全体で見るとまだ前年同月比でマイナス0.1%ですし、コアコアCPIと呼ばれる生鮮食品およびエネルギーを除く総合を見ると、前年同月比マイナス0.2%なので、物価自体はまだ弱いという現状を知っておくべきだと思います」と多角的な現状の分析を示した。
さらに、森永氏はコアCPIについて「寄与度分析というのをすると、やっぱりエネルギーが今回かなり指数を持ち上げたということがわかります。エネルギー価格は少なくとも足元で上昇してきていて、物価には遅れて反映されてきますから、今後エネルギー価格がどんどん上昇していき、コアCPIに関していうと指数がもう少し上がってくる」と予測する。
また「さらにマニアックな話」として、8月分から12月分に関しては、昨年のGoToトラベル政策の影響で、宿泊料の指数が非常に下がっているといい、「要は、政府が支援したので(宿泊客が)払わなければいけない宿泊料が少なくなっている。消費者物価指数はそういう政策をかけた後の物価でやるので、それの反動が出ます。おそらくコアCPIはエネルギー価格の上昇が遅れて反映されることに加えて、GoToトラベルの効果の裏が出るということで、数字上は実態よりも強く出るだろうというところがあります」と語る。
その一方で、森永氏によると、これまで2015年基準で算出されていた消費者物価指数が、8月に公表される7月分からは2020年基準に変わるという。「そうすると、今回の5月のコアCPIについて、現在携帯電話の通信料の引き下げがあるので、その関係でもしかすると遡及改定されて、前年同月比プラス0.1%という数字がマイナスになるかもしれない。結論としては、インフレだと騒ぐほどの話ではないと思います」と今後の数字の変動にも着目した。
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 またYouTube公式チャンネルではLIVE配信と、放送後にアーカイブでお楽しみいただけます。
2021/06/23/水 05:00-06:00 | おはよう寺ちゃん 5時~6時 | 文化放送 | radiko
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