
『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 NISAの積み立て、このまま続けて大丈夫?
情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。
この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2025」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。
★メールまとめ
NISAの積み立て、これからも続けて大丈夫?
★メール本文
アメリカはインフレで大変らしいですね。
トランプ政権の誕生でこれがどうなるのか、日本へも影響があるのでしょうか。いまNISAで積み立てやってますが、続けても大丈夫ですか。
(目黒区 チャコちゃん 女性 52歳)さん
積み立てが有利な理由
アメリカがどうなるかはわかりませんが、積み立てをやるときに…最近、金融機関の人ってちゃんと説明してるかな。
なぜ積み立てをやるかわかりますか? 毎月ちょっとずつ入れるのと、ズドンといま買うのと。なんで毎月ちょっとずつ積み立てるといいかわかる? そんなにお金ないから、ということもあるでしょうが…。たぶん説明されたと思いますが、買う商品の値段は上がったり下がったりするんです。上がりますか、と聞かれて「上がります」とか「下がります」とか言う人は100%間違ってます。正解は「わかんない」。 で、わかんない前提で、何をやるのかが正しいかって考えればいい、というのが一つ目です。
「ドルコスト平均法」の仕組み
毎月5万円で買っているとすると、5万円で買える量は 安くなるとたくさん買える。上がるとちょっとしか買えない。つまり、安い時にたくさん買って、高い時にちょっと買う。そうすると、だんだん長くやってると毎月同じ量を買ってる人より同じ額を買ってる人の方が、平均した仕込みの額が安くなっていて、それだけ値上がりがたくさんになる…というのが、毎月積み立ての 難しい言葉でいうと「ドルコスト平均法」…そういうことなんですね。人間は安くなると売りたくなって高くなる時に買いたくなる習性があるので…。
いったん始めたら一喜一憂しない
2つめのポイントは、積み立てを始めたらマーケットは見ない。10年後まで自分がやってたことを忘れる。これはアメリカの指南書に一番書いてあることです。今日5万買うって決めたんだったら…ヤバいものばかり買ってはダメですよ。常識的なものを買ってるんだったら、その瞬間に10年ぐらいそれを始めたことを忘れるのが一番いいんです。
常識的なものを普通に買い続ける
もう一つは、実はそんなこと言ってても ここ3年ぐらいは儲かるだろうというようなやつを勧めてるバカな銀行員がたくさんいます。やっぱり長期的に経済が上がっていくとそれに応じて上がるということで。やってる側もあまり目先のことに一喜一憂しないようなパフォーマンスを出せるようなものを入れないといけないので。NISAはidecoに比べると自由度が高いので、あんまりよく聞かないで買ってると たとえば…3年先によくなるようなもの。パフォーマンス出してるものもあるのですが、それを20年の投資に使っちゃいけないですね、やっぱり。それだったら途中で入れ替えないと、ということだったら、インデックスっていうんですけど、多少常識的なやつを普通に買っていった方がいい。
借金もトータルで考えよう
3つ目は、52歳の方でしたら、そんなことよりこれから金利が上がりますから、住宅ローンがあったら期限前弁済してってください。そっちの方が利回りが高いです。3%、2%払うものが減る方が、なんだかわからないで2%上がるのを狙うより確実なので。前から言うように、退職まではできるだけ減らして、退職したら一銭も返さない。これが割といい戦略です。3つ目は「借金も合わせて考えてください」ということです。
今日は「NISAの積み立てとはどういうことか」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。
大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。
第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。
東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。
家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。
※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください
お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。
制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。
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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…