『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    退職金、どう運用すれば…

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    退職金、どう運用すれば…

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2025」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
退職金の上手な運用方法は?

★メール本文
どうせ低金利だからと普通預金に退職金が眠っています。でも、だんだん金利が上がってきたようですね。リスクの少ない運用をしようとしたらどうしたらよいのでしょう。千葉県を代表する地元銀行はやたら投資を勧めてくるのですがどうしても踏み切れません。
(船橋市 まこと (男性 62歳))さん

「FOMO」にご用心
眠らせている人は面倒くさがりの人だと思うので、たぶんですけど…うまく運用しようと思っても、無理なことはないかもしれないけど、普通は出遅れます。以前もお話ししましたが、「FOMO」(fear of missing out)っていって、乗り遅れたくないと思ってると下がりだしてから「上がるかも」と思って買って、底まで行ったあと上がりだしているのに売る…ということを消費者の方はしがちなのです。そうなる可能性が高いということを良く分かってた方がいいと思います。

国債は「普通預金よりはマシ」
それで、金利が上がってきてどうしたらいいかという話ですけど。やっぱりめんどくさいヒトですから、ほどほどでちょっと ということで、普通預金よりはマシだっていうことでいうと「国債」。前にも少しご紹介しましたが、個人が買える国債があります。これはけっこうな金利になっています。かつ個人だと、国債って本当は値段が上がったり下がったりしてるんですけど、万が一お金が必要になったときに 元本はちゃんと確保してくれる仕組みがあるので預金よりはいいと思います。

お金で考えるべき3つのこと
それより前に、一番最初に考えなければいけないのは、私と似たような世代の方だと思いますが、これからいくら必要かをじっくり考えましょう。死ぬまでの間に「お金がなくならないようにする」のが大切なので。考えてみて もし足りなさそうだったら、いまさら貯金はできないので働く。できるだけ長く働く、ということですね。そうするとまず、お金が入ってきますので。それから二番目は、私が20年ぐらいご高齢の方を見てきた経験からいうと「病気をしない」。病気になるだけでお金が出ていきます。健康であることにはお金がかからないので、健康になるようなことをし続ける。

「三分法」を試してみては
そして三つ目は、今あるお金をだいたい三つに分けてください。それで、最初の3分の1の中から、「千葉県を代表する銀行に勧められている、上がりそうだといわれてるところ」に、いくらまでならゼロになってもいいかという金額を決めて、その金額だけはやってみてもいいと思います。たとえば300万までなら損しても残りのお金でなんとかなるかなと思ったら、300万くらいは欲をかくんだから、ゼロになってもいいと最初からあきらめて預けてください。そうすると もしかしたら600万になるし、減ってもなかったものだと思ってるので。で、地元銀行ですから、普通預金に眠ってることをわかってますから「できるだけたくさんやりなさい」っていいなさいって上から言われてますので、ご自分の側でいくらまでは損していいんだ…と計算しないといけません。銀行の人は絶対にそんなことをしてくれないので…。その代わり勝ったときはたくさんになりますので、遊ぶ分を決める。最後の3分の1は、いつなんどきどんなお金がいるかわかりませんから、そうはいっても普通預金とかちょっとめんどくさいけど元本割れしない国債とかに入れておく。で、真ん中はいつ頃出すかを考えて少し長めに…まことさんだったら国債ぐらいにしておいてもいいし、そうでなければ社債とか、もうちょっと金利が高いものを買っておきます。この3分法が一般的です。

今日は「眠っていた退職金の運用」について考えてみました。

メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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