
問題発覚後の対応にも影響する? 「同質性の高い組織」が抱えるリスク
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月26日の放送にジャーナリストの浜田敬子が出演。「同質性の高い組織はどんなリスクがあるのか?」をテーマに解説を展開した。
長野智子「まずは『同質性の高い組織』について解説していただけますか?」
浜田敬子「普段から私、企業の研修や講演が多いんですね。なぜ組織や、意識決定するのにダイバーシティ(多様性)が必要か、ということを言うんです。でも日本の組織の方、特に経営層や幹部の人たちは割とダイバーシティの話をしてもポカンとする。つまり多様性のある組織を見たことがないわけです。でも同質性が高い組織が陥りやすいリスク、という話をすると皆さん、けっこう思い当たるフシがあるんですね」
長野「はい」
浜田「同質性とは何かといえば、たとえば役員会でいうと日本人の男性50代以上がすべて、みたいな組織、いっぱいありますね。きょう話題にするフジテレビも、あの会見に並んだ方は……もっと高いか、60代以上ですよね」
長野「港(浩一)さんは70代ですね」
浜田「新卒で入ってずっとフジテレビにいる。そもそも日本の組織は日本人中心で男性が多く、年功序列の組織なので意思決定に行くまで年齢が高くなるでしょう。さらに新卒一括採用だから労働の流動性がなく、途中入社の人もあまりいない。そうなると役員が、ずっと同じ釜の飯を食ってきた仲間の男性で占められる、みたいな。この組織のリスクが高いのは多くの研究で言われています」
長野「はい。様々な組織で問題意識を持っている浜田さんが、ほかに取材しているのはどういうところですか?」
浜田「最近、検察とフジテレビというのがなぜ今回、女性の人権に対応を誤ったのか、という原稿を書いたんです。検察というのも今回、大阪地検元検事正による性暴力疑惑……これはまだ裁判進行中ですが。それまでにもたとえば様々な冤罪のようなことや、不当逮捕みたいなことが起きている。これもたぶん『司法試験が受かった』、ここで同質性が高まる」
長野「はい」
浜田「自分たちはエリート意識があって、しかも年功序列で、同質性が高い。フジテレビもあの文化の中で自分たちこそがテレビの一時代を築いてきた、という自負のある同質性の高さ。しかも男性中心の組織において、特に性暴力やハラスメントのような事件が起きたとき、人権意識の欠如や女性の人権を軽視する傾向があるのではないか、という問題意識を持っていました」
長野「おっしゃるとおり。悪気はないんでしょうけど、当事者意識を持てないんでしょうね。悪気はないんだと思う。でもどれだけその被害者の方たちの思いに寄り添うかというと、共感力は持てませんよね。大阪地検の場合には女性検事の方が、会見もして、上司である検事正から性暴力を……」
浜田「ということを訴えていて。その組織の中で二次被害もあった、ということもおっしゃっている。性暴力そのもの以上に自分の名前が組織内でかなり振り回された、ということもあって。フジテレビも事件そのものも問題ですけど、そのあと女性にどう対応していくか、ということを間違っているんですね。2つとも組織としての対応を間違っている、というところに共通性があると思います」
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