
線状降水帯や台風の予測精度向上への取り組み…気象研究所 中本能久(なかもと・よしひさ)所長に聞く
毎週日曜朝5時5分からお届けしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
この週末は春爛漫どころか初夏のような陽気となり、23日(日)には都心でも25.6度まで上がり、今年初めての夏日となりました。
東京靖国神社の桜の標本木は1輪も開いておらず、開花の発表とはなりませんでしたが、多くの方が集まっていました。
標本木ではないソメイヨシノは数輪開花し、緋寒桜も見頃を迎えていましたが…。
しかし、気温の変動が大きいですね。
先週水曜日3月19日の朝7時20分頃、港区虎ノ門の気象庁で直径9ミリの「ひょう」を観測。
東京都心でも1センチの積雪となり、今月に入って4回目の雪となりました。
ちなみに直径5ミリ以上の氷の粒なら「ひょう」、5ミリ未満なら「あられ」になります。
(↓こちらは19日朝文化放送報道部のある9階から見た浜松町の風景)
今週も「気象研究所」中本能久(なかもと・よしひさ)所長へのインタビューをお送りしました。
第4回のきょうは「線状降水帯や台風の予測精度向上に向けた取組」についてお話いただきました。
中本所長は、災害をもたらす気象現象にはシビアに研究に取り組んでいかなければならないと話します。
「線状降水帯」や「台風」については、予測や把握が重要で、来年度から研究体制を強化し、メカニズムの解明や予測を向上させていくための研究を進めていくそうです。
今年の出水期から集中的な観測を行う予定だそうです。
様々な観測機器を活用するそうですが、今回は「航空機観測」についてお話いただきました。
台風などの現象が起こっている上空に航空機を飛ばし、観測機器「ドロップソンデ」を投下して、風向・風速・湿度や温度などを計測するそうです。
実際に、その観測機器「ドロップゾンデ」を見せてくださいました。
長さは30cmぐらいで、オレンジ色のパラシュートが付いているものと、白くとても軽いゾンデの2種類。
今回の観測では白いゾンデを利用するそうです。
白い発砲スチロールに見える部分は、トウモロコシ由来、生分解される環境にやさしい素材で作られています。
また、線状降水帯、台風と海洋との関連も詳しく見ていこうというのも一つの柱だそうです。台風への黒潮の影響など、大気と海洋との相互作用をどの程度まで解明できるか、今回の研究で見ていきたいとのことです。
最期にリスナーに伝えたいことを聞きました。
「災害というのは、いつ起こるかわからない。地震に対する備えは日頃の備えが大切なので、家具の固定や非常食の準備が重要。また、水害等についてはハザードマップを見ていただくこと、今自分がどういう場所に住んでいるのかをよく把握していただきたい。」とのことです。
年度末で引っ越し準備をされている方もいらっしゃるかと思いますが、転居先のハザードマップもぜひ確認してください。
気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子