『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    家はどのくらいで傷みますか?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    家はどのくらいで傷みますか?

Share

情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
月に2,3日しか帰宅できません。やはり家は傷むのでしょうか。

★メール本文
家は住み続けてないと傷む、と聞いて、心を痛めております。当方、52歳独身、親の代からの家に一人住まいですが、出張が多く、家にいられるのは月に2,3日程度。一度、水道水が臭うのが気になってからは、風呂やトイレ、食器洗い以外には水もほとんど使いません。電気製品も、帰ってくるたびおそるおそるスイッチを入れて、動くと「よかったぁ~」と安堵するという感じです。この程度の使い方ですが、やはり傷みは進行するのでしょうか。
(中野区 出張マン (52歳))さん

広い家を持て余す人が増えている
どういうお家かにもよりますが、空気を入れ替えていれば、それほど急激に傷むことはありません。でも水を流さないと、臭うのかもしれません。水はどんどん使って流したほうがいいですが…。
実は、広い家を持て余していらっしゃる方、だんだん増えてきているんです。特に、70代以上の方。出張がちという訳ではなく、旦那様がいらっしゃらなくなって、だからといって、まだヨボっているわけではない。それで広い家に住み続けていらっしゃる。よくJTIに電話がかかってくるんです。でも、「貸したい」のではありません。貸してしまったら住めなくなるので。ほとんど終活の相談みたいになっちゃって「この後どうしたらいいんでしょうか」というお話をされる方が案外多いんです。
いろいろなケースがありますが、全然出口がない議論なんです。「じゃあ駅前のマンションを借りて住めば」という訳にもいきません。そんな簡単な話でもないしね。よく大学の先生で「早めにサポート付きのところに動きなさい」とか言う人がいらっしゃいますが、そういうのって、できないと思うんです。ちょっと話が違うし、お金も関係することですからね。

一か月で畳がカビで真っ青に
それで何かできないかなと思って。たとえばこの出張マンさんみたいな方、きっとほかにもいらっしゃるんじゃないかと思うんです。二人でどっちも月に2,3日しか帰ってこないなら、かち合わない可能性も高い。そしたらその間に一部屋貸しちゃえば、お金が増えます。どこかでやってないのかな、そういう出会い系みたいなマッチングのコミュニティサイト。傷む傷まないでいうと、ずっと締め切っているよりはずっといいと思います。
残間さんのお知り合いで、ほんの一か月空けただけでも、帰宅すると畳がカビで真っ青になっていた、ということがあったそうです。そうなると布団を敷く気にもならないですよね。残間さんが熱海にお持ちの部屋も、半年ほど行かないとトイレに黒カビが出てきてしまったりするそうです。一回黒カビが出ると、もう大変なんです。壁だったら壁紙を変えたり、専門の清掃業者を依頼するしかなくなってしまいます。

同じ境遇の人でマッチングは…
こういう話をしても不安を強めるだけのような気もしますが、こういうケースはこれからどんどん増えると思います。二人で住んでいた家が一人になったときは、もう一人、二人を呼び込んで一緒に住めるようにしたらいいんじゃないかな、と思うんです。どこかでそういうマッチングやってないかな、やってないんだったらやろうかな、と思うこともあります。もし出張マンさんのような方、どなたかラジオをお聞きでしたら、ぜひ番組までご連絡ください。ハウスシェアをやってみたらいいのではないでしょうか。残間さんは「ロマンスの花が咲くかもしれない」とおっしゃっていましたが…。

今日は「月に2、3日しか帰れない家」について考えてみました。

メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

NOW ON AIR
ページTOPへ