
中国のアメリカ、トランプ政権対策。まずは「喜びそうなことのリスト」作成?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、3月12日の放送にキヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司が出演。きのう閉幕となった、中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)に関して解説した。
長野智子「(中国で)今年の全人代がきのう閉幕でした。今年の大会、どうご覧になりましたか?」
峯村健司「決して明るくなくて。開幕式のときの習近平氏の表情もずっと渋かった。政府活動報告をしているナンバー2、李強首相もずっと渋い顔で話していました。名指しはしないけれど(アメリカの)トランプ政権で、これから大変だね、と。関税かけられてウチの経済は大変なことになる、米中対立が深刻になる、といった緊迫みたいなものは伝わりました」
長野「GDPの目標は3年間据え置きという状況ですけど、やはりアメリカがこういう状況だから、相当、達成は厳しいぞ、という感じですか」
峯村「そうなんですよ。昔、私が北京に行っていたころ『7%』『8%』と言い切っていたんですけど。最近5%“前後”と最近つけていて、つけるときは大体『あれ?』というときです。アメリカの専門家とこの間、意見交換したら『マックス1.5%ぐらいだね』と言っていました。悲観的で『マイナス成長じゃないか』という人もいましたね。泣きっ面にハチじゃないですけど、そこに関税をかけられると厳しい、と」
長野「中国はトランプ政権に具体的にどうする、というのは話していますか?」
峯村「中国もけっこう準備を進めていまして。トランプさんが喜びそうなことのリストみたいなものを内部でつくって、準備はしていると」
長野「やっぱりまずは『喜ぶリスト』なんですね」
峯村「1期目のとき、いいところ、トランプさんとディールできるんじゃないか、というところまでいったんです。アメリカのボーイングいっぱい買います、農作物買います、というかたちでやろうとしたらうまくいかなくて。それで貿易戦争に入った、という反省があるんですね。今回はもう怒らせないようにうまく取り込んで、というところはすごく感じます」
長野「たとえば今回のリストにはどういうものが?」
峯村「聞いている限りではやはり飛行機、ボーイングですね。中国はいま、どんどんアメリカの飛行機を少なくしてEUのエアバスを増やすなどしている。そこでアメリカのものをいっぱい買うとか。あといちばんトランプさんがほしいのは農作物ですよね。いわゆるスイング・ステートでつくっているものが多い。2年後に中間選挙があるのでそこで勝とうとすると激戦州、スイング・ステートの農作物をいっぱい買ってくれる、『トランプはすごいね』と有権者に思われる、票につながる、ということは考えていますね」
長野「習近平国家主席とトランプさんは近々会って、まずは仲良くしていこう、という感じですか?」
峯村「私が両政府の関係者から聴くと、けっこう進んでいるそうです。あと2、3ヶ月でひょっとして、首脳会談を行うんじゃないでしょうか」
長野「へえ~!」
峯村「そこに対して電撃的なディールみたいなものを考えているフシがありますね。そういう意味で、もう関税を2回打つなどしていますけど、1期目なんかを考えると、ディールを有利に運ぶためのアメとムチのムチを打っている、というのがいまの状況です」
長野「日本からすれば中国とアメリカがどういうディールを打ってくるのか、という。非常に気になるところですね」
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長野智子アップデート
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