
本当に「低下」と言える? 24年度の国民負担率45.8%
3月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、国民負担率に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「国民負担率がすごく下がったと見えるようにトリックしている」
財務省は5日、国民や企業が所得の中から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す2024年度の国民負担率が前年度比で0.3ポイント低下の45.8%になる見込みだと発表した。政府が物価高対策として実施した定額減税の影響で低下したものの、依然として高水準にある。
内訳は税負担が0.4ポイント低下の27.5%、社会保障負担が0.1ポイント上昇の18.3%となる。国と地方の財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は0.9ポイント上昇の50.9%と推計した。
寺島アナ「国民負担率、定額減税の影響で低下ということなんですが、藤井さん、これはどうお感じでしょうか?」
藤井氏「しょうもない話ですね、『低下』っていう部分がね」
寺島アナ「そうですねぇ」
藤井氏「まず、『低下』って言っているのがしょうもない話で。考えてみてください、これ、給付金と一緒なんですよね。(定額減税)合計4万円。これを『減税だ』って言っているんですけども、これ、1回だけでしょ? 1回だけのことを『減税』って言うなっていうことですよね。たとえば100万円の所得がある人が50万円の税金を払っているとしましょう。そしたら、その人は負担率50%ですよね。それで5万円分減税したら(税金が)45万円になるから45%になりますよね。『5%も下がった、すげぇ!』ってことですけど、普通に考えたら『5万円配っただけやないか』ってことでしょ?」
寺島アナ「えぇ」
藤井氏「ということは、所得が105万円になって50%ってことですよ。そしたら105万円になって50%やったら、ホンマやったら、これは47.6%くらいじゃないですか? だから何にしても、国民負担率がすごく下がったように見えるようにトリックしているわけですよ、しょうもない」
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