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「こんな私でよかったらお付き合いください」の精神が鍵「女性活躍と社会変革を考える」
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2025年1月20日,27日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「女性活躍と社会変革を考える」をテーマに、女性の社外役員に特化した人材紹介サービス「ジョトリー」などを展開するSOICO株式会社取締役COO・土岐彩花さんと、宗家花火鍵屋15代目で、国際柔道連盟スーパーバイザーの天野安喜子さんをお迎えしました。
田ケ原:花火や審判という分野だと一見、男性が多い職場の様に思うのですが、そこに挑戦した理由や周りの反応はどうでした?
天野:今でも男性社会で、花火師の方は父が14代目で、幼いころから父の姿に憧れて、母の「パパって素晴らしいのよ」っていう暗示。そういった背景から、「父と同じようになりたい」と思うようになりました。柔道は、私が現役時代からオリンピックで女子柔道も入り始めて、女性が畳の上に上がるなら、「女性の審判員も上がるべきではないか」という機運が高まりました。そこで柔道を引退した私に白羽の矢が立ち、私の父に柔道連盟から打診があり、花火師の修行で出向いている地方にいる私にそのことを伝える電話がありました。父の言葉は絶対なもんですから、「分かりました。受けます」といったところからスタートしました。
田ケ原:男社会ってことで、まわりの人は驚かれませんでしたか?
天野:花火師としては、父にいつもくっついていたもんですから、周りからは、「この子が、継ぐんだろうな」という雰囲気が伝わっており、柔道の方もずっと選手として活動していたので、「今度は、審判員になったんだ」と思われて、男女の敷居は当時はなかったです。なってから、手厳しい道ではあったかもしれませんけど。
田ケ原:どういったところが厳しかったですか?
天野:どの時代も性別関係なく、「女性がトップの審判員になったから、柔道が弱くなったんだ」という「ん?」という言葉を受けたり。
入山:ひどくないですか?
天野:当時は、男性社会なので、「まだ若いから言われるんだろうな」と思って「それなら、実力を示せばいいんだろうな」と思って努力は積み重ねた気がします。
田ケ原:土岐さんはいかがですか?ビジネスの中では、女性推進、女性活躍という場面が増えていると思いますが、その辺についてどう御覧になってますか?
土岐:私は、金融とスタートアップという経験から言うと、スタートアップは男性社会だなと思います。女性で起業という選択肢を取る人がそもそもいないので。それと投資家もほぼ男性なので。ただ女性へのサポートも充実してきているので、そこが増えてきたのは良いことだなと思います。
花火師&柔道審判員と外資系金融機関を経てスタートアップを営むという全く違うバックボーンを持ったお二人。ですが、そのカギは「こんな私でよかったらお付き合いください」の精神だと言います。その心は?
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土岐彩花さん
大学在学中に起業し、2社のベンチャー創業を経験。その後、アメリカに留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。卒業後はゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPOを含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年にSOICO株式会社を共同創業し、取締役COOに就任。SOICOでは女性の社外役員に特化した人材紹介サービス「ジョトリー」も展開する。
天野安喜子さん
宗家花火鍵屋の次女としてお生まれの天野さん。小学1年生の時に父・修さんが「富道館柔道天野道場」を開いたのをきっかけに柔道をスタート。1986年の福岡国際女子柔道選手権大会では日本代表として出場し銅メダルを獲得。一方2000年には、宗家花火鍵屋15代目として女性初の襲名。その後、国際柔道連盟審判員の資格を取得され、これまで北京オリンピック、東京オリンピック、パリオリンピックの審判員も経験。昨年末に国際柔道連盟審判員を引退し、現在は、国際柔道連盟のスーパーバイザーを務める。こうした功績から月刊誌『日経WOMAN』が主催する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2025」の大賞に選ばれている。
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浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…