日米首脳会談は「霞が関チームの勝利であり演出」だった?

日米首脳会談は「霞が関チームの勝利であり演出」だった?

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、2月10日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。2月7日午前(日本時間8日未明)にアメリカの首都ワシントン、ホワイトハウスで行われた日米首脳会談について解説した。

角谷浩一「私が思うに、トランプさんが難しい人で、嫌われたら大変、と。ありとあらゆる知恵を日本の官僚は絞ったと思います。経産省も財務省も外務省も、徹底的にトランプさんの思考、トランプさんがこの2週間、何を求めて世界中に発信したか、ということを分析して。石破さんは理屈派じゃないですか」

長野智子「はい」

角谷「『ちょっとそれは何々……』と、理屈がつかないとなかなか納得しない人。トランプさんはどちらかというと直感派ですよね。言えば『お、それいいんじゃないの』と乗ってくるけど、ピンとこなければ乗ってこない。だからこそ上手な通訳がモノを言った可能性もあって。石破さんがムニャムニャ言っているのをバシッとうまく言ってくれた、というのも含めて、これは霞が関チームの勝利であり演出だった、という感じはしますね」

長野「冒頭の石破さんが、お世辞みたいだ、と伝えられたいろんなことがあったじゃないですか。あれも、もはや英語から日本語に訳して石破さんが言っている、という雰囲気。トランプさんのお気に入りのワードを並べている。そこを使って石破さんがリップサービス、みたいな。あれも準備だったんでしょうかね」

角谷「月例経済報告というのが毎月出るんですけど、そこも対外経済関係って、どれぐらいアメリカに投資しているか、という表がバーンと出る。きっと日米首脳会談用にみんなつくったんだな、とよくわかるようなものがたくさんあって。投資はたっぷりしています、と。40兆円を超える先の防衛費についても、自分から先に『今後もやります』と言う。向こうから数値目標を出される前に。とにかく気に入られる、好かれる。外交ですから、好かれることは悪くない。まして『石破で大丈夫か』みたいな空気が直前まであった。ことのほかうまくやったのでワシントンは大成功、となるわけです。いちばん厳しかったと僕が思う日経新聞は『黄金の日米関係というけれど、これは金メッキだ』と。その下には鉄が出てくる。USスチールの問題も、投資だというけど50%は超えさせない。同時に、他の国じゃなくて相手は日本だけ。つまり日米で組むことのメリットは大きいけど買収はイヤだ、と」

長野「はい」

角谷「きょうの林官房長官の会見によれば、日本側もよくこれを練って突きつけた感じもするので、なんだ、おまえのところがそう思っているならうまくいくじゃないか、という雰囲気をつくるための、きわめて政治的な材料に使われた、と」

長野「はい」

角谷「今月中にもしかしたら日中首脳会談あるんですよ。習近平さんと会うわけですよね、そうすると対中政策を同じようにできるのか、と。トランプさんに良い顔するけど習近平さんにはできるか、できないか。今度は外務省の中のアメリカンスクールとチャイナスクールの戦いみたいになって、結局どこかで代理戦争を行うようなことになってしまう」

長野智子アップデート」は平日午後330分500、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 

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