神保哲生「フジテレビの会見は10時間のうち9時間50分は答えがわかっていることを聞いているだけだった」
1月27日に行われたフジテレビの会見は10時間を超える異例なものだった2月4日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、ビデオジャーナリストの神保哲生がフジテレビの会見について語った。
神保「日本には普通の記者会見に出られるメディアというのは記者クラブの記者だけなんですね。記者クラブというのは日本新聞協会に加盟している報道機関ですので基本的に新聞社、テレビ局、通信社、そこしか基本的には記者会見に出られないわけです。その人たちは記者会見慣れもしているし、そこには駆け引きなんかもあるといえばあるんですけど、私のように長く海外で記者をやってきた人間から見ると完全に馴れ合いなんです。本人たちは緊張感があるつもりかもしれませんけれど、そもそも出発点とか俎上に上っている議題自体が完全にコントロールされている状況の中でやっている。そこに1つの大きな問題があります。もう1つは、その他にちゃんとした報道機関っていうのを日本に作ることができなかったっていうことなんです。権力へのアクセスが一握りのメディアに独占されているわけです。文春砲が話題になっていますけど、一部の雑誌が権力に直接取材するのではなく、タレコミであるとか、情報提供者であるとか、ウラを取るとかっていうことをしながら、ゲリラ取材をかろうじてやってきましたけれども、それを例外とすれば、他に記者会見に出た経験のある記者っていうのは殆どいないわけですよ。そうすると記者会見っていうのは注目されている中で自説を述べる格好の場になってみたり、もっと言えば聞きたいことを聞いちゃっているんです。記者会見っていうのは聞きたいことを聞くんじゃないんですよ。聞きたいことを聞きだすために、どういう質問をすればいいかっていうことを考えて質問をするのが記者会見なんです。こういう答えが返ってくるって事前にわかっていることを平気で聞いちゃってるから、それ聞いたら、こう答えるよとわかりきったことの繰り返しが10時間のうち9時間50分くらい行われていた。そうすると見ている側はたまらないですよね。日本のメディアは世界の中でもかなり歪な状態にあって少数の事業者によってアクセスが独占されているために、その他にジャーナリストやジャーナリズム、報道機関っていうものが育っていないということが、あの場でもろに露呈したと思います」
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