「2023年度に『ゾンビ企業』7年ぶり減少」はコロナ渦明けだから当たり前!
1月21日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、「ゾンビ企業」7年ぶり減少したニュースについて意見を交わした。
現在は“ゾンビ企業”が増えている可能性も……
本業の利益で借入金の利払いをまかなえない「ゾンビ企業」が7年ぶりに減ったことがわかった。2023年度は前年度に比べ13.0%減の約22万8000社だった。一部の中小企業などが原材料高を販売価格に転嫁し、資金難を脱した。
倒産や廃業による市場からの退出もゾンビ企業の減少につながったとみられ、足元でも企業の新陳代謝が進んでいる可能性がある。
(寺島アナ)「これは田中さん、どうご覧になりますか?」
(田中氏)「まずこれ、統計自体が2023年4月~2024年3月までですよね?この時期はコロナ渦から明けて経済が再活動していた時期です。それ以降の状況は、日本銀行が利上げのスタンスを鮮明にして、能登半島の震災や自動車不正問題なんかで去年のGDP成長率はマイナスになる可能性が高いです。そういう経済が足踏みする前のデータですから。コロナ明けの反動増が鮮明になってインバウンド需要も戻ってきたわけですよ。観光だとか小売りが再活動しはじめた時期なので、新型コロナで経済的に沈んでいた業態が一気に息を吹き返したんで、これで“ゾンビ企業”と呼ばれるものが少なくならなかったら逆に不思議ですよ。去年のデータじゃないですからね?」
(寺島アナ)「2023年度ですからね」
(田中氏)「2024年4月以降の日本経済の足踏みは、人によってはマイナス成長ですけど、それを反映していません。その後2024年度に入ると、“ゾンビ企業”と呼ばれるところは倒産数が増えているんですよ。僕は“ゾンビ企業”って言葉は嫌いですけど、恐らく増えている可能性が高いと思います」
(寺島アナ)「今は高いんですね」
(田中氏)「このニュースを見て、“ゾンビ企業が減った!”とお気楽に考える人がいたとしたら、それはタイムマシーンの乗り方を間違えていると思います。2024年4月以降の経済状況を見なきゃいけないんですよ。そこを間違えちゃいけないですよ」
〈出典〉
「ゾンビ企業」7年ぶり減少 価格転嫁や新陳代謝進む | 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB15B8W0V10C25A1000000/)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。