村尾信尚「トランプ大統領就任。日本が進むべき道は?」
トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任した。1月21日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、アメリカが自国優先の保護主義に変わっていく中、日本はどう対応すればよいのかを語った。
村尾「トランプ氏が再び大統領になったことでアメリカが変わるだけではなくて、世界の政治経済の構造も大きく変わってくるなという印象を持ちました。例えば気候変動の枠組みから外れるとか、各国に関税を課すとか、不法移民を強制的に排除するなど…。今までのトランプ氏以前の世界というのはアメリカを中心とした自由主義諸国と、ロシアのプーチン氏とか中国の習近平氏のような専制主義の国、そういう対立で捉えていたんですが、トランプ氏が再び大統領になったことで“自由主義諸国”対“専制主義諸国”から3強の時代、アメリカ、中国、ロシアが力によって覇権争いをするような時代に変わってくるでしょう。法の支配と言っていたアメリカが“力による支配”というようなことを言い出しました。それから自由貿易と言っていたのが“関税を課して自国優先の保護主義”に変わってきます。世界は米中ロと、それ以外の国という構図になってくるでしょう。そうなると、いわゆる中規模先進国、ミドルサイズの国々がどうやって立ち位置を考えていくのかが極めて重要。中規模先進国というのは日本、イギリス、EU諸国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドなど。これらの国々が3強とどう渡り合っていくのか、こういう構図に変わっていくのではないでしょうか。その中で日本は、例えば“法の支配”でいえば、プーチン氏やイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したりする国際刑事裁判所、この国際刑事裁判所のトップが赤根智子さんという日本人なんですね。また“自由貿易”でいえば、TPPという太平洋の周りで自由に貿易をやっていこうという枠組み、これも日本が主導して作りました。TPPにはカナダやオーストラリア、イギリスなんかも入っています。そういう意味では“法の支配”だとか“自由貿易”を頑張ってリードしてきたのは日本なんです。だから日本が中規模先進国の連携を取りまとめることで3強の国と渡り合っていく。こんな構図になっていくべきなのではないでしょうか」
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