イスラエルとハマスが停戦合意で、邦丸・内藤が改めて考える「戦争とは?」
野村邦丸アナウンサーが大将を務める「くにまる食堂」(文化放送・毎週月~金曜9時~13時)。1月16日(木)の最初のコーナー「ニュース一番出汁」では、邦丸アナとパートナーで俳優の内藤剛志が、改めて「戦争」について意見を交わした。
野村邦丸アナ「今朝の新聞一面は、大体イスラエルとガザのハマスとの戦闘、これが19日からやっと停戦になったと伝えています。アメリカではトランプ大統領の新しい政権が始まるので、トランプさんがプレッシャーを与えたということですが、4万6000人以上の方が……もっと居るんじゃないかという話ですが、亡くなっている。これから順次人質を解放していくということですけども、内藤剛志さんが今年5月で70歳。『戦争を知らない子供たち』の1人です。日本に居ると、まあ、ベトナム戦争や、年代的には人生の先輩の朝鮮戦争とか色々あったかも知れません。そんな中、現地で停戦を喜んでいる人の顔を見たりすると『良かったな~』とは思うんだけど、どこかでヒトゴトのように見てるところもあったと思うんですよねえ」
内藤剛志「僕の世代だと、僕の父は太平洋戦争に行ってるんですね。令和元年に97歳で亡くなりましたけど。僕は長男ですけども、ギリですね。僕は今年70歳。70歳ぐらいになる人間の父親が戦争に行ったと。父はあまり戦争については語らないんです、やっぱり。だけどどこかでにおってくるもの、感じるものがあって……直接ではないんですけど、戦争というものが。例えばですが、兵隊さんが使ってた場所、兵舎とかが子供の頃空き地の中に残ってたり。『ここは何?』って聞いたら『兵隊さんが居たんだよ』とか。あるいは軍需工場みたいなものが、大阪城のそばにあってですね、そこはずーっと入れない状態であったりとか、それを見てるんですね。環状線に乗るとそれがわかる。なので、戦争というものが本当にあったんだなっていうのが、まだ僕の世代では何とかあるんですよ。だから戦争で亡くなるっていうことをリアルに感じたギリギリの年なんじゃないですかね」
邦丸「はい」
内藤「だから今の人って、本などを読んで知るか、あるいは映画の中での戦争を知識として受け止めるかなんでしょうけど、ただ、この時代になってもまだどこかで戦争をしていますよね。『何なんですかね、人間って?』って思うことがありますね」
邦丸「人間だから戦争をするんだっていう哲学的な分析をされる方もいるんだろうけども」
内藤「誰が幸せになるんだろうと思って」
邦丸「そこですよね! ガザの方たちのインタビューを聞いていても、『私たちは高望みは一切していない。普通に家族がいて、そこでみんなで顔を合わせて普通の暮らしがしたいんだ』と。『贅沢なものを食べたいわけじゃないんだ。普通に暮らしたいだけなのに』と、どこの戦争の被害者の方もいってますし」
内藤「なんかね、一緒にしてどうかと思うんだけども、相手に対する想像力があれば。もうそこだと思うんですよね。例えば、どんな人間関係でもそうだと思うけど、全然人って違う人生を生きている。今、俺が『相手の人だったらどうかな?』って思った瞬間に、ちょっとだけ理解が出来ませんかね? 昔、もう亡くなられたけど大好きな(映画)監督さんがいらっしゃって、お酒を飲んで酔っ払っている時にですね、『一言で、良い日本をいってみろ』っていうんですよ。『一言でいえるか? 内藤は』っていうわけ。『うわっ!』と思った時に、たまたま自衛隊が初めて海外の戦地に行くっていう時だったんです。その映像をテレビで観た時に、ふと思ったことがあって、その映像を観ている俺はこう観てると。自衛官の方、出向される方はどう思ってるだろうか。それを見送る家族の方がいらっしゃる。これ、それぞれがちょっとずつ違う風に思ってる。『一瞬にして全員の立場になれればいい日本になるんじゃないですか?』って答えたんですね。そしたら監督は『うしろ指をささない国がいいんだ』と」
邦丸「うしろ指をさされないじゃなくて、ささない?」
内藤「ささない。ささないってことは、さされたくないし。つまり自分の立場だけを考えて。自分の価値観じゃないですか、うしろ指ってのは。多分、監督は同じことをいってるんだなって思ったんですよ、まだ若い俺は。酔っ払いながらね。立場を変えてみたら戦争が無くなるとはいいませんが、争いは少しは減りませんかね。そんな単純なものじゃないと思いながら今しゃべってますけども」
この後も、戦争について考える2人の「深い話」が続いた。気になる方は、ぜひradikoのタイムフリーでチェックしてください!
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