24年末の炊き出し 武田砂鉄「トリクルダウンは起きなかった。アベノミクスを肯定し続けるのはやめるべき。」

24年末の炊き出し 武田砂鉄「トリクルダウンは起きなかった。アベノミクスを肯定し続けるのはやめるべき。」

Share

1月7日(火)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)では、朝日新聞一面の「炊き出しの列 私もすがった 異次元緩和 残したゆがみ」という記事を紹介した。

番組で紹介した朝日新聞の記事によれば、NPO法人「TENOHASHI」は炊き出しを03年の発足から続けていて、コロナ禍では1回に約200人が利用し、急激に物価が上がった22年には500人を突破。その後も増え続け、24年11月には過去最多となる617人まで増えた。その半数は生活保護受給者で、あとはなんとか食費を切り詰めたい人たちであり、かつてのように高齢者ばかりではなく、若年層の目立つなど、年代や性別に偏りなく増えているのが特徴だという。その背景を清野賢司事務局長は「物価高の影響が大きい」と説明する。

日本は1990年代後半、物価が下がり続けるデフレに陥った。13年4月、日本銀行は物価上昇率2%を目指し、「アベノミクス」の柱として異次元の金融緩和を始めたが、思うように物価は上がらなかった。一変した契機はロシアによるウクライナ侵攻で、円安が進んだことに伴う輸入物価の上昇も加わり、物価は急上昇し、22年4月から2年8カ月にわたって物価上昇率は2%以上が続いている。

日銀は24年3月、異次元緩和を転換。賃金と物価がともに上がる経済の「好循環」が進んできたとみている。先月には金融政策の検証「多角的レビュー」を公表して、「経済と物価の押し上げに一定の効果があった」と異次元緩和を評価した。

だが、00年代前半から活動する清野さんには、いまの日本がアベノミクスが始まった頃と重なって見えるという。

「あの頃、景気が良くなると言われたが、( 富裕層の富が広くしたたり落ちる)トリクルダウンは起きなかった。いまも経済が回ってきたというけど、ここの誰1人実感はない。むしろ物価と貧困の悪循環が起きている。」11年にわたった、異次元緩和のゆがみは、いま、そこにある。と、朝日新聞の一面にはこのように書かれていた。

この記事を受けてお笑い芸人の大竹まことは、政府がデフレからの完全な脱却を目指すということを発表していた気がするけど、コンビニに行くと物価は上がっているし、インフレの状況になっているのではないか。デフレなのかインフレなのかよく分からないと発言した。

フリーライタの武田砂鉄氏は、記事の中でもトリクルダウンは起きなかったという発言が取り上げられていたが、アベノミクスをどのように評価するのかを考えたときに、いろいろな評価があると思う。だけど、安倍元首相がやったことはとにかく素晴らしかったのだという文脈の中で、アベノミクスが肯定され続けるというような動きはさすがにもうやめなくてはならないと思うと発言した。トリクルダウンは起きず、貧しい人、富める人の差が生じてしまったという事実は、日本に限らず全世界的な潮流であるので、この朝日新聞の記事もあるが、どうやったらこのような状況を繰り返さないで済むか、現状を見つめていく必要があると思うと話した。

番組パートナーの小島慶子は、炊き出しに並ばざるを得ない、貧困と紙一重のところで暮らさなくてはならない人がいる世の中は幸せな世の中ではないとし、みんながああも生きられる、こうも生きられる、何かあってもなんとかなるのだと思って生きていける社会になって欲しいと述べた。また、炊き出しをしているのが公的な機関ではなくNPO法人であることに言及し、自助、公助、共助という言葉があるが、政治家が言うように、自助の次は共助、共助がダメなら公助、ということではなく、どんな人も、生きていく上ではこの3つ全部がないと生きていけないということ。公助が足りていないのは、公の怠慢だと思うと発言した。

 「大竹まことゴールデンラジオ」は平日午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大竹まこと ゴールデンラジオ!

大竹まこと ゴールデンラジオ!

月〜金 13:00~15:30

その他の主な出演者

“面白い”けれど”真剣に”、”くだらない”けれど”正直に”。 …

NOW ON AIR
ページTOPへ