【箱根駅伝】「給水する時に細迫さんから…」法政大学・花岡慶次を感動させた先輩の言葉とは
箱根駅伝は総合5位以内、「坪田史上最強」を目指す法政大学のキーマンになりそうなのが花岡慶次(3年、世羅)だ。
4区にエントリーされている花岡だが、これが学生三大駅伝初エントリー。世羅高校時代には全国高校駅伝(都大路)で優勝メンバーにもなった花岡が、3年目にして初めて三大駅伝のスタートラインに立とうとしている。
聞けば、高校時代から故障が多く、大学に入っても故障を重ねてきたそうだ。1年目は1本もレースに出られず、大学初レースは2年目の11月、入学から1年7ヶ月も経ってからだった。
「これまでは骨系の怪我が多くて、大腿骨疲労骨折2回と、シンスプリントも4回ぐらい、内転筋の肉離れ……」。次々と故障歴が出てきたが、持ち前の忍耐力で気持ちを切らさずやってきたと言う。
原動力は高校時代にあった。
「練習日誌をつけて監督に提出すると、いつもコメントが返ってくるんですけど、そこに高橋尚子さんの座右の銘『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く』っていう言葉が書かれていて。心に残っています。それが自分の粘り強さ、忍耐力に繋がっているかなと思います」と話してくれた。
走れない時だからこそできることを、積み重ねてきた。体幹や補強、走りの基礎となる部分をコツコツ積み上げて、花を咲かせるためにやってきた。その結果「これまでは苦しくなった場面でフォームが崩れていたのが、トレーニングの成果か安定感が出てきた」。そうして、故障が減ったそうだ。
今季の故障は春先に1回と、夏合宿中に1回、両足のシンスプリントを故障した。でも大きなものはその2回だけで、これでも少ない方だそうだ。故障の期間も短くできたという。
前回の箱根当日、花岡は5区15km地点で給水を担当した。給水の相手は細迫海気、当時4年生。花岡にとって細迫は特別な存在だった。
「細迫さんとは高校が同じで(世羅高校)、中学校の時から話しかけていただいたりして。大学に入っても1年、2年は同じ部屋で2年連続とっていただいて、仲良くさせてもらっていました。憧れの先輩ですし、すごく尊敬できる先輩です」
憧れの先輩に給水をしたそのとき、花岡には思いがけないことが起きていた。
「給水する時に細迫さんが『来年絶対走れよ』って走りながら言ってくれて。……感動しました」
ランナーにタイムや激励を伝えるのが一般的なものを、逆に細迫は給水の後輩に声をかけていたのだった。
尊敬する先輩からの言葉に花岡は「だから、これは絶対次は走らないといけないなと思って。1年間頑張ってきました」と、決意を新たにしたことを明かした。
ちなみに、前回大会細迫は、併走していた大東文化大・菊地駿介に声をかけ菊地を復活させていたことが話題になったが、それだけでなく給水の後輩にも声をかけ元気を与えていたことになる。細迫の人柄なのだろうが、花岡が「憧れ」と話す理由もわかる。
花岡に関して坪田監督は「信頼して送り出せます。駅伝力はかなり高い方なので、(駅伝デビューでも)その辺の心配はしていません」と太鼓判を押す。久しぶりの駅伝はもう間もなく。先輩から受けた想いを、次は花岡が渡す番だ。
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Information
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『文化放送新春スポーツスペシャル 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継』
1月2日(木)・3日(金) 7:30~14:30 *全国33局ネット(放送時間は異なる場合があります)
▼1月2日(木) 往路
解説:大志田秀次(中央大学OB、東京国際大学前元監督、Honda陸上競技部エグゼクティブアドバイザー)
プレーヤーズ解説:伊地知賢造(國學院大學OB、ヤクルト陸上競技部)
移動解説:柏原竜二(東洋大学OB、「2代目・山の神」、『箱根駅伝への道』ナビゲーター)
総合実況:斉藤一美アナウンサー
▼1月3日(水) 復路
解説:大志田秀次(中央大学OB、東京国際大学前元監督、Honda陸上競技部エグゼクティブアドバイザー)
プレーヤーズ解説:花尾恭輔(駒澤大学OB、トヨタ自動車九州陸上競技部)
移動解説:柏原竜二(東洋大学OB、「2代目・山の神」、『箱根駅伝への道』ナビゲーター)
総合実況:寺島啓太アナウンサー
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この記事の番組情報
文化放送新春スポーツスペシャル 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継
2025年1月2日(月)・3日(火) 7時30分~14時30分
青山学院大学の連覇か、駒澤大学の王座奪還か、 それとも國學院大學が初優勝で三冠を手にするのか—— 「3強」の様相を呈する今シーズン。2日間、10区間合計217…