【箱根駅伝】「大変なことしかなかった」東京国際大学最強世代の波乱に満ちた4年間

【箱根駅伝】「大変なことしかなかった」東京国際大学最強世代の波乱に満ちた4年間

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前回大会は3秒差で予選会敗退。東京国際大学は2年ぶりに箱根路に返り咲いた。エントリー16人の中で箱根出走経験のある選手は冨永昌輝(4年)のみという事実が、4年生の代が紆余曲折を経てきたことを感じさせる。

4年生は入学当初から強い世代と言われていた。24人が入部し、14分30秒切りは15人。13分50秒31の東海高校記録を持つ佐藤榛紀と、13分58秒00の白井勇佑、初めて日本人選手13分台の選手が入ったのもこの年だった。
1年時には、いきなり出雲駅伝で優勝。佐藤榛紀は2区で4位、白井勇佑は4区で5位と上々のデビューを果たし、優勝メンバーになっている。佐藤榛紀は続く全日本にも1区で出走、箱根は倉掛響が5区で、冨永昌輝が7区で、と4人が1年目に三大駅伝を果たした。チーム内でも「丹所、山谷、ヴィンセントの代の次はこの1年生の代」と言われていたほどに力のある代だった。

しかし、順風満帆にはいかなかった。

2年時に箱根11位でシード権を逃すと、大志田秀次監督が退任。松村拓希ヘッドコーチの指揮で挑んだ3年時の箱根は予選会で敗退。その後、当時の4年生が下級生のためにと、それまでのチームを壊す覚悟でチームを作り直そうとした。4年時には横溝三郎総監督が監督になり、中村勇太ヘッドコーチが実質的な指揮をとるかたちで箱根予選会を突破したものの、11月には横溝監督が逝去……ショックな出来事もあった。

山本泰輝は4年間を「思い描いていた4年間ではなかったかな。色々環境も変わったし、指導者も代わった。大変なことしかなかった4年間だったなとは思います」と振り返る。キャプテンの楠木悠人は「今4年生で残っているのは10人くらいですかね」と明かした。毎年指導者が代わり、陸上への情熱が削がれる面があったことを誰も否定しない。

しかし、楠木はこう続けた。
「陸上への気持ちが切れちゃった人が辞めていくので、今続けてる人たちは気持ちが強いというか、4年間、苦しい時もあったと思うんですけど、それでも諦めずやってきて人たちが残ってるんじゃないかなと思います」。今回4年生でメンバーに入ったのは山本、楠木、佐藤、冨永、大林洸己、木村海斗、益田郁也の6人だが、箱根出走経験のある白井や山岸柊斗、吉住颯はサポートを続けているという。

中村監督代行は4年生の代を「個性が強すぎて、決して1つにはまとまらず、緩やかにくっついている印象」と苦笑いするが、「楠木が箱根直前に調子を引き上げられたのは、メンバーを外れた選手の協力がすごく大きいです」と彼らの貢献を称えた。

辞めていった選手、箱根に3秒届かず卒業していった先輩たち、そして横溝監督――東京国際大学の紺青色の襷は、残った学生だけでなく、今ここにいない人の想いがのっている。

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