『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    円高に戻ると得する商品は?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    円高に戻ると得する商品は?

Share

情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

★メールまとめ
円高に戻ると得する投資商品は?

★メール本文
日本人の多くが、これから円高に戻ると期待しているようです。
外国の投資信託などで、円高に戻ると得する投資商品ってありませんか?
為替ヘッジがあれば良いのかなと思ったら
あれは金利差をカバーするもので、為替変動をカバーするものではないようですね。
(足立区 北千住実篤)

基本的に得はしないけれど…

基本的に外国の投資信託を買うということは、円を売って外国の通貨を買っているわけなので、円高になったら得しません。やるんだったら、そもそも「FOREX」という外国為替そのものを、デリバティブみたいなもので売ったり買ったりするっていうことがあるので、やりたければやったらいいと思います。円高に振れたら短期間ですけど儲かるようなものも、なくはないと思います。ただ、これは本当に「投機」なので、反対に振れるとひどい目に遭います。

円安の本当の原因は…

そういうことより、やっぱり円安になっていって、たぶんおそらく単純に外貨持ってたり外貨建てのものを持っているだけですごく儲かっちゃってます。それでいま円から国外の投資にいくカネがすごく多くて、それでまたどんどん円安になるんですけど。でも原因は金利の差と言われてますけど、よーく考えてみるとやっぱり、日本が弱くなっていってるわけですよね。

「円高は大変だった」のか!?

円高のときに大変だったのかというと、海外旅行するとわかりますけど、円がすごく強いときって、もう美味しかったわけですよね、ぼくら。で、それはやっぱり国が強いから、そこで十分…ある種、儲かってたということです。投資商品っていうか、円高になるくらい国の力があると、日本人全体がいい思いができるっていう意味では、リターンがあったわけです。でも今は弱くなっているから、減っていってる、ということですね。

「多少」円高に戻ったとしても

アメリカの金利が下がると、日本の低い金利…日本はいま低いとか高いとかというより「上げられない」という理由で上がってないので。これもずっと上がらないだろうっていう…。日銀ががんばってる限り上がらないだろうという感じになると、アメリカが下がれば、それだけ多少、円高に戻ることはあるでしょう。それが短期的に、おそらくおっしゃってる「円高に戻ると期待されている」ということなんですけど。でも大きいトレンドでは、そういう瞬間的なことで110円が160円になったわけではありません。もうホントに、日本が弱いってことにみんなが気が付いてきたっていうことなんです。

国に力がついていかないと

10年、20年のスパンで戻らなかったら、もうずっと無理だと思います。だから、ちょっとボケてた気持ちを変えないと。日本がいろんなものをリードして作っていくっていうことが、できるようになってないと、どうしようもないでしょう。今はもう、本当に豊かな国だった残りなので、まだ財産があるうちは。みんなボーッとしてても大丈夫なんですけど。でもそのうち、どんどんキツくなってくると思います。

リーダーたちを見ていると

本気で国力を強くしてかないといけないんだけど、都知事選とか見ててわかるじゃないですか。国を引っ張る人たちっていうのが、どういう人たちになってってるのかっていうと、ちょっと「何なのコレ!」っていう…感じですよね。日本はホントにいろんなところでダメになってってます。どこかで戻って国が強くなってかないといけない。その時は円高が戻るのは困るんじゃなくて、ああ、ようやく少し円がなんとかなったかな、という感じになる。そういうことをみんなで考えないといけない時代になってるような気がします。

今日は「円安の真実」について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

NOW ON AIR
ページTOPへ