少子高齢化の日本で「 1人あたり名目GDP」が落ちるのは当然

少子高齢化の日本で「 1人あたり名目GDP」が落ちるのは当然

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12月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、2023年の1人当たりの名目GDPについて意見を交わした。

働いている人の稼ぐ力は全然落ちていない!

内閣府が12月23日に発表した国民経済計算の年次推計によると、豊かさの目安となる日本の2023年の1人あたり名目国内総生産(GDP)は3万3849ドルだった。韓国に抜かれ、経済協力開発機構(OECD)加盟国中22位に後退した。

2022年の3万4112ドルから減った。韓国がGDPを遡及改定した影響で数値が上振れし、22年、23年と日本を上回った。韓国の23年の数値は3万5563ドルだった。韓国と日本の1人あたり名目GDPが逆転するのは比較可能な1980年以降で初めて。

OECD加盟国38カ国中で比較しても22、23年は22位と、1980年以降最も低い順位だった。主要7カ国(G7)ではイタリアの3万9003ドルを下回り、2年連続で最下位だった。

(寺島アナ)「2023年の“日本の1人あたり名目GDP”ですが、これどうご覧になりますか?」

(田中氏)「このニュースは見飽きたと言いますか、まず日本というのは少子高齢化が進んでいますよね?総人口自体は最近緩やかに減っていますが、大きくガクっとは減っていません。中身が変わっていて、高齢者が多いということは即ち“仕事から引退する人”の割合が多いわけですよ。そういった人たちも含めて“人口”ですから、1人あたりのGDPが緩やかに低下していくのは高齢化と完全に連動しているわけです。例えば最近の“円安傾向”の話もありますがそれはあまり大きい問題じゃなくて、いま現在に働いている現役世代だけを抜き取ってGDP比で割ると、相変わらず日本は1990年代同様の世界トップ水準で2~3位くらいあるんです。だから働いている人の稼ぐ力は全然落ちていないわけです」

韓国と日本の1人当たりの名目GDPの比較についても指摘。

(田中氏)「“韓国が日本を抜いた”と書いてますけど、韓国も次第に高齢化の比率を高めていきますから、日本と同じようにやがてジリジリと1人当たりの名目GDPは落ちていくんじゃないですか?名目GDP自体の伸び率は先進国も大差ないですから。“日本の1人あたり名目GDPが低いのはデフレで抑えられているから”という理由はなかなかこの数年使えなくなってますから、今言った高齢化が主な影響です。副次的に為替レートの円安傾向もあるかもしれないですが、高齢化比率の高まりの方が大きい影響を出していると考えた方が良いんじゃないですかね」

 

〈出典〉
1人あたり名目GDPで日本22位、韓国に逆転許す 22年 | 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGKKZO85671140T21C24A2EP0000/)

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