【101回箱根駅伝】立教大学・山本羅生(4年)を襲った体調不良の原因とは

【101回箱根駅伝】立教大学・山本羅生(4年)を襲った体調不良の原因とは

Share

箱根駅伝予選会トップ通過の勢いを加速させ、一気にシード権獲得を狙う立教大学が、15日に新座キャンパスで記者会見を行った。
エントリーメンバー中、私が気になったのは山本羅生(らいき/4年)。前回大会で山を上った猛者が、今季はすっかり成りを潜めていたからだ。

髙林祐介監督(後列左)と山本羅生(前列右から二人目)
本人によれば「今年は体調不良が続き、朝練習もできない状況から抜け出せなかったが同期全員がずっと励ましてくれていた」とのことだった。
山本は大学生活最後の一年を迎える矢先の早春に仙骨を骨折したことから負のスパイラルに陥った。直後に就任した髙林祐介新監督が練習内容を見直したことでチームは高みに引き上げられていくのだが、故障ですっかり出遅れた山本は新たなメニューに順応するまで時間がかかってしまったのだ。
「7月に復帰したが全体の6~7割しか練習を消化できない我慢の日々が続き、夏合宿後半には夜に眠れなくなった。2時間寝たら目が覚めて1時間起きてしまう悪循環。結局トータルで3~4時間睡眠にとどまり続け、食事中は吐き気を催した」そうだ。検査の結果、山本は軽度のうつ状態と診断される。原因は、我慢しすぎていたから。周りの励ましの声も重圧に感じてしまい陸上競技を辞めることまで考えたが、山本は見事に復活した。
箱根駅伝予選会と全日本大学駅伝で魂をむき出しにして走る仲間たちを見て自然と「頑張りたい」と思えるようになったのだ。「無くしかけていた気持ちが甦ってきた」というタイミングの11月からしっかりと走り始めた彼は最後の最後で16名に滑り込んだ。
「予選会までは全く走っていなかったが今はもう大丈夫。昨日(12/14)のポイント練習は入学以来最高の内容だった。練習をやってきた期間は短いが明らかに感触はいい。おそらく過去に積み上げてきたものが良い形で引き出されている。髙林監督の手腕のおかげ。箱根駅伝に間に合ったのは同期全員が精神的に支えてくれたから。監督も根気強く”待ってるよ”と声をかけ続けてくれた。チームの想いを受け止めた4年生の意地とプライドが今の自分にはある。前回よりも箱根に懸ける気持ちは強い。だから絶対に速く走れる」と山本羅生は断言している。
絶望から這い上がってきた男なら天下の険を攻略できるはずだ。63年ぶりのシード権獲得をもくろむ立教大学の存在は間違いなく今大会を活気づけている。
【往路総合実況担当・斉藤一美】
Share

関連記事

この記事の番組情報


文化放送新春スポーツスペシャル  第101回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継

文化放送新春スポーツスペシャル  第101回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継

2025年1月2日(月)・3日(火) 7時30分~14時30分

青山学院大学の連覇か、駒澤大学の王座奪還か、 それとも國學院大學が初優勝で三冠を手にするのか—— 「3強」の様相を呈する今シーズン。2日間、10区間合計217…


箱根駅伝への道

箱根駅伝への道

火~金 18:05~18:15

その他の主な出演者
CLOSE
その他の主な出演者

大学駅伝のクライマックス【箱根駅伝】出場を目指して奮闘する選手や監督のインタビューをお届けしながら、学生長距離界の今を詳しくお伝えします。 …

NOW ON AIR
ページTOPへ