記録的な豪雨、甚大な被害を及ぼす台風、猛暑や寒波など、今、世界中で異常気象が多く発生しています。2020年にも日本や韓国、オーストラリアやインドネシアなどで記録的な降水量により大洪水、それによる土砂災害が発生しています。何千もの人が避難を余儀無くされ、家を失い、死者も発生する事態となっています。これらの異常気象は、深刻な問題となっている地球温暖化が影響していると指摘されています。地球温暖化により地球の平均気温が上がると、命を脅かすような高温の発生確率が高まります。気温が上がることで海や地表から蒸発する水分が増え、結果大気中の水分量が多くなるため雨量の増加も懸念されます。そして台風やハリケーンの大型化にも繋がります。このように多くの命を奪い、私たちの生活を脅かす異常気象と密接に関係している地球温暖化は、他人事ではなく、我々一人一人がしっかりと意識を持って取り組まなければならない大きな問題なのです。

 

1970年代、科学の進歩に伴い地球を取り巻く大気についての研究が進み、地球温暖化が深刻な問題として科学者の間で注目されるようになりました。1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議は、「かけがえのない地球」をテーマに、国連として環境問題を議論する初めての国際会議となりました。ここで環境保全に関する諸原則について示した人間環境宣言が採択されます。1985年に開催されたフィラハ会議は、地球温暖化に関する初めての世界会議であり、二酸化炭素による地球温暖化の問題が大きくとりあげられるようになりました。そして1988年に開催されたトロント会議では、2005年までにCO2を20%削減するとする具体的な数値目標が初めて提示されました。これによって地球温暖化が一気に国際政治問題であると認識されたのです。

 

では我々個人としてできることは何なのでしょうか。日本の二酸化炭素排出量の約2割は私たちの日常生活から排出されています。家庭からの二酸化炭素の排出量用途別内訳の1位は照明・家電製品など、2位自動車、3位冷暖房となっており、その他給湯、調理など様々な場面で排出されています。ですので、例えば夜は早く寝る、家族同じ部屋で団らんする、公共交通機関や自転車を利用する、クールビズやウォームビズを活用して冷暖房の使用を抑える、冷暖房の温度設定を控えめにする、シャワーの出しっ放しをやめる、電化製品の主電源切る、などが挙げられます。できることは小さなことかもしれませんが、一人一人が意識しながら生活することで、10年後20年後の世界が変わっていくと信じています。

 

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」6月7日の放送では、‪‪お笑いコンビのエルシャラカーニのセイワ太一さんと山本しろうさんのお二人にご参加いただき「脱炭素経営とは」から「自分たちにできること」について熱いトークが繰り広げられました。

脱炭素経営とは

低炭素からさらに進んだ脱炭素という考え方を導入することです。二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことで温暖化を止める脱炭素社会の流れが、企業経営にも求められているのです。

2015年にパリ協定で、21世紀後半にCO２の排出量を実質０にするという目標が決められました。日本でも2030年までに46%削減、2050年までに排出を実質0にする脱炭素社会を目指すことが明らかにされました。この脱炭素社会の実現には、企業も同調しなければなりません。

具体的な取り組みとしては、太陽光発電システムの導入、物流過程でのゴミの削減、電気自動車の導入などで脱炭素を目指しています。

自分たちにできること

個人的には色々と取り組んでいて、例えば夜電気を消す、ゴミを出さないなどを意識しています。何ができるかまだよくわかりませんが、節約して無駄なものを消費しないということは大事だと思います。

みんなが力を合わせたら達成できるものがある時、みんながやるからなんとかなるだろう、自分一人やらなくても全体のメリットは受けられると思ってしまう「フリーライダー問題」というものがあります。脱炭素問題も同じで、世界中の国や企業みんなの努力が必要です。うちの国、うちの会社だけはやらなくても大丈夫とみんなが思ってしまったら、目標の実現はできません。我々一人一人も、小さな努力がやがて大きな成果に繋がるという意識をしっかり持って取り組んで行くことが大事だと思います。