『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』　　　　「老後」っていったい、いつのこと？

★メールまとめ
よく「老後」という言葉を耳にしますが、いったいいつが「老後」なの？

★メール本文
みんなが老後、老後…というから、老後ってどういう状態なのかと考え、辞書をひいてみました。
そしたら…「年をとってからのち」「年老いたのち」だって。それだけかーい！
もっと具体的な定義なのかと思ったらバクゼンとしてるんですね。大垣さんは「老後」って具体的にどんな状況をイメージしますか？

（中野区　老後どころか現在の資金もありません　（59歳））

難しい「老後」の定義

ちょっと前に「高齢者」の定義を65歳から70歳にするとか、話題になりましたよね。確かに老後っていう言葉がわからなくなってきましたね。いつから老後なんだろう。昔だったら残間さんも老後ですよね。でも全然そういう感じじゃない。「引退後」というか、「隠居」というか…。今は安穏としていられませんからね。いったい「老後」って、何なんだろうね。老後っていうのは、老人になったあと、ということ。だとすると、定義的にいえば「老人って何？」っていう話ですよね。黒柳徹子さんに「老後」なんて言えないですし。これから先どうするの？　っていうときに「老後」という言葉は使いますが…。

「老後」は将来をイメージする言葉

仕事をやめたり、社会的な役割がなくなった後か。子どもが育ちあがった後で節目は来ますが、最近は80代の親と50代の子が同居している時代ですからね。老後＝安寧とはしていられない。
100歳以上が間もなく10万人を越える時代ですから「老後」とは言いにくくなっている。違う言葉が何かあればいいんだけど、シルバーとかシニアとかいうのとも違う。
残間さんたちは自分たちの世代を「私たち世代」と呼ぶようですが、もちろん「Z世代」ではありえないわけで。そういう言い方をしたら、私たちはどれくらいになるんだろう。C世代とかD世代とか（笑）。僕らよりちょっと下の年代には「新人類」という呼び方がありました。もうちょっと上は「しらけ世代」とか。でも僕らの世代には呼び名がない（笑）。残間さんは「団塊」と言ってもらえるし。久しぶりにしみじみ考えてみましたが、やっぱりわからない。「老後」って、イコール、将来をイメージする言葉ということなんでしょうね。

今日は「老後」という言葉について考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司　プロフィール
青山学院大学　法学部教授、一般社団法人　移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」（現、一般社団法人 移住･住みかえ支援機構）の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』『生きづらい時代のキャリアデザインの教科書』など。

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