イスラエルとレバノンが停戦合意、現地取材した安田菜津紀が解説
アメリカのバイデン大統領は26日、イスラエルとレバノンのイラン寄りの民兵組織ヒズボラの戦闘をめぐり、イスラエルとレバノンの両政府が停戦に合意したと発表した。
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)11月27日の放送は、このニュースをメディアNPO Dialogue for People副代表、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が解説した。
野村邦丸(パーソナリティ)「そもそもヒズボラはどういう組織ですか?」
安田菜津紀「イスラエルは1982年にレバノンに侵攻しています。居座っているイスラエル軍に対して抵抗運動する中で生まれてきた組織がヒズボラです。そのヒズボラの後ろ盾となってきたのがイランという国です。ヒズボラとぶつかるということは、背後にイランがいる。そういう構図で理解をしていく必要があると思います」
邦丸「今回の合意について、どう思われますか?」
安田「イランとしても、ヒズボラとしても、大きなダメージを受けているのでこれ以上長引いて自分たちを削ることは避けたいというところがあります。一方、イスラエル側にとっても利益になるところがあります」
邦丸「どういうメリットがあるのですか?」
安田「ヒズボラがイスラエルに対して攻撃を加えてきたこの一年間の名目としては、“ガザで停戦を合意しない限りは自分たちもイスラエルを攻撃し続けますよ”という建て前で攻撃してきたわけです。イスラエルがヒズボラと停戦を合意することによって、ヒズボラは大義名分を下げることになるわけです。そうなると、ガザで戦っているハマスとしては、ますます孤立していくことになる。ネタニヤフさんも、“ガザのハマスをますます孤立させるのだ”とはっきり明言してます」
邦丸「ガザの停戦の道のりは複雑になったということですか?」
安田「ここは読めないところですね。ガザについての折り合いはついていないところですよね。ただ1年以上すさまじい勢いで人の命が奪われてきていて、その状況は全く改善されていないわけです。公式に発表されているだけでも、ガザの死者の数は昨年の10月以降4万4千人超えたと言われています。一方で、ガザから入っているニュースは減ってきています。1人1人の人間が生きているということが、時が経つほどに伝わりづらくなってきています。そういうもどかしさは募っています」
「くにまる食堂」は平日朝9~13時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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