【水谷加奈の劇場型恋愛体質】それが我々の仕事なのだ!
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―11月29日(金)配信分―
「市町をしまちと読んだところ、アナウンサーがそんな間違いをするのは困りますね。と視聴者の方から苦情が入りました」
という広島のアナウンサーのエピソード。
「しちょうと読むと市町なのか市長なのかわからない。だからあえて耳で聞いてわかりやすいように、しまち、しやまちと読むようにしているんです」
とのこと。(広島には村がないので市町村と言えない)
同じアナウンサーとして「あるある!」と深く頷いてしまいました。同音異義語は厄介です。
たとえば市立。しりつだと私立ともとられる。だからいちりつと読むことがあります。
そのほか、荒天と好天。全く反対の意味なのに、耳で聞くとどちらも同じ音。ですから我々は荒れた天気、晴れの天気と言い換えます。
また、首長は正しくはしゅちょうですが、市長や首相と聞き間違えられる可能性もあるのでくびちょうと言ったり。
約はひゃく(100)に間違えられやすいので、やくと読まずにおよそと読んだり。
そんな中、後輩アナから相談を受けました。
イベントのお知らせで17日とあった。じゅうしちにちだと11日に間違えられる可能性があるので、あえてじゅうななにちと読んだら、それはじゅうしちと読むべきだろと先輩に注意されたとか。
「そっか。じゃあたとえばじゅうしちにちと読んだ後に、じゅうななですよ~!と強調してみるのはどう?」
と提案すると、
「20秒におさめなくてはいけなくて、その余裕はありませんでした…」
とのこと。
わかりやすいように、伝わりやすいように気を使ったつもりが苦情をもらったり注意されたり。
工夫しようとしても時間が足りなかったり。
それが我々の仕事なのだ!