【水谷加奈の劇場型恋愛体質】こっちとあっち
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文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴ります。
―11月22日(金)配信分―
大井町駅。京浜東北線のホームで電車を待っていると男性から声をかけられました。
「すみません。蒲田はどっちですか?」
私は浜松町方面に並んでいたので、彼が行きたい蒲田は反対方向になります。同じホームのこっちとあっち。
私は少し振り返りながら隣の電車を指さして、
「あ。こっちですよ」
と教えました。
彼はお礼を言ってホーム中央に向かって歩いて行きました。その直後、私は急に心配になったのです。
隣の電車を指さしたつもりでしたが、同じホームだったこともあり、思わず
「あ。こっちですよ」
と言ってしまいました。
どうしよう。彼が私が指さす方向をちゃんと見ずに「こっち」というワードだけで判断してしまったら…。
つまり私が乗る電車を「こっち」だと思ってしまったら…。
ああ、こういう場合は「こっち」じゃなくて「あっち」と言うべきだった…!
急にドキドキしてしまい、彼が歩いていった方向を見たのですが既に姿はありません。
まさか【こっち】に乗ろうとしていないよな。正しい方向の電車【あっち】に果たして乗ってくれただろうか。
気になって気になってしかたありませんでした。
「this way」とか「that way」ならはっきりしていてわかりやすいのでしょうが。
日本語って曖昧だなとつくづく思います。
次回はもっと明確に伝えます。
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