トランプの圧勝劇から1週間。アメリカでは女性たちの危機感が増す
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、11月13日の放送では、大統領選からの1週間、アメリカでどういったことが起きているのか、日刊スポーツ元編集局長で編集委員の久保勇人が解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「アメリカ大統領選挙でトランプさんが圧勝して1週間となりました。この1週間で起きていることを久保さんからお話しいただければと思います」
長野智子「どんなことが起きているんですか?」
久保勇人「来年1月の就任に向けて、政権移行しなければいけない。人事がどんどん発表されています。一方でここ数日間、アメリカのメディア、日本の大手の新聞社がどんどん伝えてきているのが男女間の対立に関する報道なんですね。大統領選(の結果)が決まってから、女性を中心にTikTokやXで4B運動への関心が急速に広まっている、という報道です」
長野「はい」
久保「4B運動というのは2018年ごろに韓国で始まった、女性の権利を主張していこう、というムーブメントで。韓国語でBから始まる単語で、男性と『結婚しない』『出産しない』『恋愛しない』『性交しない』。トランプ政権で、女性たちが自分の安全や権利が脅かされるアメリカになるのでは、ということで過剰とも思えるような激しい反応が噴き出している、ということです」
長野「へえ……」
久保「人種差別的な言動の多かったトランプさんが信任を得て国民に選ばれた、というのもあります。一方で選挙結果が出たとたん、一部の男性側から、ネット上で女性に対するヘイト投稿が激増しているらしいんです」
長野「ええ……?」
久保「具体的にいうと『キッチンへ帰れ』、日本語だと憚られるのであえて英語でいうと『Your body my choice』など。聞いていてイヤになる言葉がどんどん投稿されているらしいんです。そういったこともあって女性たちが、このままだとトランプ政権は上院も下院も一緒になって、大統領と合わせてトリプルレッドというかたちで、今後4年間、女性の権利や安全が脅かされるのでは、という不安や危機感が増大していると」
長野「はい」
久保「女性に対するヘイトの言葉がネットだけでなくリアルな生活でも始まった。学校で男子生徒から女子生徒に投げかけられる、ということも。そういったことの延長で性犯罪も増えるのでは、という心配が強まっているそうなんです」
長野「なんで議論がそんな極端なことになるんでしょうね」
久保「トランプさんの人種差別、人工妊娠中絶問題に代表される、女性の権利に対して軽んじていると受け取れる言動もありますし。今回、トランプさんに男性票が行った、とよく言われます。冷静にファクトを見るとそこまで極端な例はないけど、若い男性の世代がトランプさんに投票していた、という事実はあるみたいです」
長野「うん……」
久保「若い世代はここ数年、『ポリコレ』や『MeToo運動』という中で男性であることに引け目を感じたり、言いたいことが言えなくなったりした。自分は加害者、という意識が増大しているのでは、ともアメリカで分析された。トランプさんが信任されたことによって『やっぱり自分たちももっと発言していいのでは』という心理も働いているのではないか、という分析がアメリカのメディアの中で出てきています」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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長野智子アップデート
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