特別国会召集
文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。
文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。
衆議院選挙の結果を受けて招集された特別国会。首班指名選挙は午後、衆議院と参議院の本会議で行われ、衆議院の決選投票の結果、自民党の石破総裁が選出された。
衆議院での決選投票は過去4回行われ、1994年には社会党の村山富市氏と自民党の海部俊樹氏が争い、村山氏が第81代総理大臣に選出。決選投票となったのは実に30年ぶりの出来事だった。
上位2名による決選投票は、自民党の石破総裁と立憲民主党の野田代表2人のうち1人の名前を書いて投票するルールだが、結果は投票総数465のうち、石破総裁は1回目の投票と同じ221票、野田代表は1回目より9票増え160票。残り84票は2人の名前以外を書いたため無効票となった。
野田代表は首班指名選挙終了後、記者団の取材に対し「結果的に敗れ、残念だが、石破さんも決選投票でも過半数には足りていないので相当厳しい国会になるだろう」と指摘。議場から出てきた野党議員は口々に「石破さんが選ばれたのに、自民党議員から拍手がこころもとなかったなぁ」「いつまでもつんだろう」など、国会の先行きを危ぶむ声も上がっていた。
一方、参議院での首班指名選挙は、石破総裁が過半数を獲得し、1回目の投票で決着した。ただ、参議院での首班指名では、毎回のように不思議な1票が出現する。今回は、国民民主党の伊藤たかえ氏、自民党の茂木敏充前幹事長、末松信介元文部科学大臣らに1票ずつ投じられた。
伊藤たかえ氏への1票は今回で5回目。毎回、無所属の寺田静氏が投票してきた。最初のころは、伊藤氏への一票に対し議場で怒声も上がっていたが、今ではヤジもなくほほえましく受け止められているようだ。
本日のメインイベントはもちろん首班指名選挙だが、朝から国会の話題をさらったのは国民民主党の玉木代表の女性問題をめぐる週刊誌報道だった。
党首会談後に開いた記者会見で玉木代表は、週刊誌報道は「おおむね事実」と述べ、謝罪。頭を下げた際にはよろけてしまい、足元がおぼつかないほど憔悴した様子だったが、その後の党の総会で、首班指名で玉木代表の名前を書くことや代表の続投を含め了承。党内では事なきを得たものの、103万円の壁の引き上げめぐり一躍時の人となっていただけに、野党からは「出る杭は打たれるということか」と同情論も・・・。
特別国会召集日といえば、衆院選で当選した議員の初登院。午前8時の開門同時に、初当選や返り咲きした議員が国会正門をくぐり、正面にそびえる国会議事堂前で報道各社の取材に応じたり、記念撮影をするのは恒例行事である。
初当選組には、自民党を離党後、参議院から無所属で鞍替え出馬した世耕弘成氏。自民党から出馬した25歳最年少の大空幸星氏ら。
一方、15年ぶりに議員バッヂを付けた前名古屋市長で、日本保守党の河村たかし氏は「総理を狙う76歳。輝かしい後期高齢者、総理を狙う男だみゃあ」。首班指名選挙では「河村たかしと書く」と明言。1回目の首班指名選挙で「河村たかしくん3票」と読み上げられた際には、なぜか議場から笑い声。戻ってきた男、河村氏へのエールだったのかもしれない。