【お天気気象転結】中学生の力に期待!!
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「佳子・純子のお天気気象転結」。気象予報士の伊藤佳子記者・鈴木純子アナウンサーが、毎日にちょっと役立つお天気情報をお届けしています! この記事では全文をご紹介。
▼11月15日配信号 担当
伊藤佳子
11月としては初めて同時に4つの台風が発生。9日には沖縄・奄美に線状降水帯がかかり、鹿児島県与論町では11月として初めての「大雨特別警報」が発表されました。
本当に今年はいつまでも気温も高いし海水温も高い。今週は日本の南にある台風が高気圧を強めて、日中は季節外れの暖かさとなった日もありましたが、朝晩はひんやり……服装でこまめに調節しましょう!
さて、9日の土曜日、渋谷区立原宿外苑中学校で開催された「渋谷防災キャラバン」という防災訓練を取材しました。原宿駅竹下口から歩いて4分にある中学校はとても感じの良い学校でした。
「炊き出し訓練」では、中学2年生の生徒たちが指導を受けながら200人分の豚汁を調理し参加者に振る舞いました。
男子中学生が「愛情こめて作りました!」と大鍋からよそって、手渡します。大人も子供もおいしそうに食べていました。
地域の「防災」は、今中学生や高校生の力に期待を寄せているのです。例えば平日の日中、大地震が起きても大人は勤務先からすぐに帰ってはこられません。地域には多くの高齢者がいます。地域の消防団の人数にも限りがあります。(こちらも成り手不足)
そんなとき地元の中学生や高校生に力になってもらえれば…というわけです。
実際、この日地域の町会の皆さんも参加されていましたが、高齢の方が非常に多かったです。
都心部でマンションに住む若い人は町会には入らないし、活動する時間もないとか。
70代~80代の女性達は、それぞれ避難所が開設された時などの役割が決まっています。
「私は炊き出し係」「私はけが人を助ける」「備蓄品の点検や補充」などなど。
中には「年をとって動くのが大変なのよ」という人もいます。そりゃそうですよね。
そして「中学生がこんなふうに防災訓練して動いてくれるってとてもいい」とおっしゃっていました。
私も皆さんの中にいると「まだまだ若い」と感じましたが、たまに電車で席を譲られることがあります。先日、京王線の車内で男子高校生が私を見ると、さっと立ち上がって「どうぞ!」と……。
「すぐ降りるから大丈夫です。ありがとう!」と明るく答えましたが、ちょっぴり複雑な気分。以前譲ろうとしてくれた若い女性は「どうぞ…あ、あの荷物が重そうだから」と説明までしてくれましたが、確かにパソコンに10mケーブル・マイク・ICなどの録音機材を二つのバッグに詰めて持ち歩いているので「大丈夫かな?」と心配されるのか…いや、やはりそれなりのトシに見えるからなのか?
私も町会の皆さんの年齢になったとき、健康に歩き回って防災イベントにも元気に参加したいです。しかし、温暖化と高齢化は止められない!
気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子