「黒を白に、また黒に」大竹まことが気になるトランプ政権の行く先は? 前嶋和弘さんに聞く

「黒を白に、また黒に」大竹まことが気になるトランプ政権の行く先は? 前嶋和弘さんに聞く

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お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組、『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 11月8日の放送は、現代アメリカの政治とメディアの研究が専門の上智大学総合グローバル学部教授、前嶋和弘氏が出演。アメリカ大統領選とその後について伺った。

大竹「今回の結果ですが、テレビではお通夜になってるような番組もありました。前嶋さんはどんな風に捉えていらっしゃいますか?」

前嶋「トランプの圧勝っていう人がいるんですが、圧勝じゃないですよ。よく見て行くと激戦州の中って同点でどちらも行く可能性があって、それがトランプにたまたま行って、たまたまハリスに行かなかったわけだと。トランプがうまく競り勝った要因は色々話すことがありますが、それ以上に未曾有の拮抗だったんですが、未曾有の分断もあるので、今度大きく変わりますよね。今のバイデン政権が、前のトランプ政権の時に黒だったものを白くしていたものを、また真っ黒にするわけですね」

壇蜜「パリ協定とかね」

前嶋「パリ協定はまず離脱します。もう山ほどこういうのが出てきます。英語では、シートベルトを締めて走ってください、みたいな表現をするんですが、上に行ったり下に行ったり、まさにそうだと思いますよね」

大竹「日本の影響もお聞きしたいんですけど、その前に、世界の紛争地帯はアメリカに関与したりしていますが、その辺はどうなっていくんですか?」

前嶋「ウクライナに関しては、トランプさんはずっと言っていました。最初の頃は、来年の1月20日に就任したら24時間以内にウクライナ戦争をやめさせる。最近言っているのは、当選したら就任までにやめさせる。どうやってやるかのは知らないですけどね。これは何を言ってるのか、いろんな発言を見て行くと、ロシアに東部と南部を無理やり侵攻されて取られちゃったけどウクライナはもうなくなることはない。だからとりあえずこれで停戦すれば命は助かるだろう、と。だから、アメリカが武器を提供しなければウクライナはいつでも辞めると思っているので、おそらくそういうふうにしてくると思うんですね」

壇蜜「できます?」

前嶋「それを見越してヨーロッパはだいぶ武器を提供していますが、アメリカが武器支援はしないと言ったら、やっぱりジリ貧ですよね。ロシアがあれだけ根強いので。やっぱりどんどん戦争が長くなって大変になって、アメリカも助けないぞってなったらやっぱ大きいですよね」

大竹「また、ウクライナがNATOに加盟してないっていうのがね」

前嶋「だからウクライナを諦めさせる時に、もしかしたらNATOに加盟という話とか、あるいは米軍が駐留するから安全だということを言い出すかもしれませんけど、トランプさんの支持層は、ウクライナに金を出すんだったら、寂れている製造業のラストベルトに金を出せと言っています。副大統領になるバンスさんは、まさにそういった人なので、なかなか難しいかもしれませんね」

壇蜜「ということはNATOに入れない?」

前嶋「かもしれない。何らかの形で安心は提供しないといけないんですが、どうなるかわからないですね」

大竹「もう一つ、NATOとの関係もありますよね」

前嶋「実はもうトランプさんが当選したら、NATOからアメリカが脱退すると思って、ヨーロッパもすごく戦々恐々だったんですが、実はアメリカ国内でも戦々恐々で、それを見越して上院が先に法案を作っています。大統領がNATOを脱退しようとしても、上院で2/3が賛成しないとダメですよって決めています」

大竹「そうですか」

前嶋「ただ、三軍の長がトランプさんなので、NATOの中の米軍を動かさなればいいので、要するに骨抜きになる可能性がありますね」

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