【11月4日ワンダーユーマン】シネマログ 11月のおすすめ映画を紹介!
上地 上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。
今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。
映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、そして映画評論家の荒木久文さんとお届けしていきます。よろしくお願いします。
荒木・東 よろしくお願いします。
上地 11月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、そして荒木さんの三人が「これはおすすめ!」と思った作品をご紹介していきます。まず荒木さんからお願いします。
荒木 今日は一番バッター、ファーストですね。
ファーストということで『ベルナデット 最強のファーストレディ』という11月8日から公開の作品です。
先週ね、選挙終わったと思ったら、今週はもうすぐアメリカ大統領選挙ですよね。
だからというわけでもないんですが、今日ご紹介するのは政治家がらみです。
シラク元大統領夫人 ベルナデット・シラクさんという女性の知られざる姿をユーモアも交えながら描いたドラマ作品なんですね。
ベルナデット・シラクは大統領夫人としても親しまれた元政治家です。
彼女は、夫のジャック・シラフを大統領にするために、常に陰で動いてきたんですけれども、その努力が実ってようやく大統領夫人、エリゼ宮の住人になるわけです。
ところが、このベルナデットさんは、夫のシラクやその側近たちに、それとクロードという娘がいるんですけれども、彼女から「時代遅れ」だとか「ダサい」とか「メディアに向いていない」とか、そういうふうに軽んじられているんです。そういう存在なんです。
だから大統領夫人としては儀礼的で基本的な仕事すら与えられずに、うつうつとした日々を過ごしていたんですけれど、ある日こんな現実を打破しようとして、自分はメディアの最重要人物になるんだ、と、つまり注目されるファーストレディになるために頑張るんだ、と決心するわけです。
それでベルナール・ニケという人、この人は知事になるという野心を持っている人なんですが、彼に「知事にしてやるよ」という餌をまいて、スタッフにしちゃうんですよ。
それで文字通りのファーストレディになるために、みんなを見返すために頑張るという作戦を開始するわけですね。イメージを時代に合わせながら、だんだんポジティブに変化して、熱い注目を集め始めるわけです。ときには夫のジャック・シラクを差し置いて多くの視線を寄せ集められるようになったという、そういうお話ですね。12年間、大統領夫人としてですね、夫を支えたベルナデット・シラクの姿を描いたポリティカルコメディというのかな、そういうような映画ですね。東さん、ご覧になっていますよね?
東 観ました、すごく面白かったです。まず、政治の話、選挙の話がとても多いので、ちょっと難しいのかなと思っていたんですけれど、なんだかドラマの部分、大統領であり再選をどんどん狙っていくんですけれど、どんどん彼女の方が面倒な女に夫から思われていくんですよね。けれども彼女はそういうふうにされるほどに心が解放されてどんどん自分で生きていこうと、自立を証明しようとしていく女性の話です。疎まれれば疎まれるほど。そういうところにドラマとして見どころもありましたし、これ私はファッションの映画でもあると思っていて。ちょっと軽い見方になっちゃって恐縮なんですけど。
荒木 ちなみにカトリーヌ・ドヌーブがやっていますね。
東 そうなんですよ~!フランスの宝。
荒木 もう81歳ですけどね。
東 そうですけども、年々ずっと輝きを増すような女優さんでもあると思うんですけれども。このシラク元大統領夫人の衣装を担当していたといわれるのがカール・ラガーフェルド、あのシャネルとかフェンディ、クロエのデザイナーをやっていた方で、その人が劇中に登場したりしていて。それ以降めちゃくちゃこのカトリーヌ・ドヌーブ演じるシラク夫人のファッションが本当におしゃれになるのも・・・ね。
荒木 そうですね。野暮ったさが始め目立っていたのが、だんだんだんだん洗練されたパンツスーツとかね・・。
東 変身映画みたいでね。カール・ラガーフェルドは2019年に亡くなっちゃっているんですけど、彼がやったという設定の衣装がすごくありましたね。
荒木 そうですね。東さんがおっしゃったようにね、女性の一種の成長物語でもあり・・・
東 下剋上というかね。
荒木 そうね。復讐物語でもあるんですよ。最後 彼女はもう求心力を失ったシラク・夫の後任人事にまで口を出すんですね。いわば最後に復讐というかね、仕返しが完了するわけですよ。この映画に登場した人物は、シラク以外はほぼ存命中なんですよ。
シラク夫人も91歳。だけどね 要介護状態でこの映画を観られないらしいんですけど、映画に出てくる娘さんは観たそうです。で、激怒したそうです。
上地 あはははは!
東 ちょっと嫌なね、(笑)娘さんのやり方が微妙だった、とか?
荒木 いや、娘さんだけじゃなくてやっぱりね、夫がほら、いろんな事件が起きても呼び出そうと思ったら、イタリアの女優と密会していたとかそういう場面が出てきて・・
東 なるほど~。
荒木 まあ事実らしいんですけどね。
東 激怒・・・(笑)
荒木 まあぼちぼちドキュメンタリーみたいのは出てきているけど、日本もね、ぜひこんな映画があると面白いかなと思うけど。まあ無理でしょうね。
日本では。ということで明日はアメリカの大統領選挙の投票日ですよね。結果が出るのが下手したら1週間ぐらいかかるかもしれませんけれども、まあどちらが当選というか、再びメラニアさんがファーストレディになるのか。それともダグラス・エムホフさんというんですね、ハリスさんの旦那さんがファーストジェントルマンになるのか。注目ですよね。
・・・ということで『ベルナデット 最強のファーストレディ』11月8日からの公開です。
上地 つづいては私、上地由真のおすすめ作品です。私がご紹介するのは11月1日から公開の『アイミタガイ』という作品です。
ストーリーです。
黒木華演じる梓はウェディングプランナーとして働くキャリア女性です。梓には長年交際している恋人がいるんですけども、両親が離婚した経験から結婚になかなか踏み切れずに2人の関係も先行きが見えずにいました。
そんなある日、学生時代からの親友の叶海が亡くなったという知らせを受けるんですね。
梓はかけがいのない存在だった親友の死を受け入れられずに叶海の携帯にメッセージを送り続けるんです。一方同じように深い悲しみの中にいる叶海の両親は児童養護施設から娘宛のカードを受け取ります。娘が養護施設に通って子供たちの写真を撮っていたことをそこで知りそこを訪ねることにします。
ある日、梓はいつも大事な時に背中を押してくれた叶海に「あなたがいないと前に進めないよ」というメッセージを送ると、その瞬間、読まれるはずのない送信メッセージに一斉に既読がついたのです・・・というお話です。
こんなに優しい、優しい人しか出てこない作品で本当に観終わった後にほっこりした気分になったんですけど。荒木さん、この「アイミタガイ」っていう言葉、知っていましたか?
荒木 はい。まあカタカナでね、タイトルがついていますけども、漢字で書くと「相手」の「相」に「身体」の「身」それから「お互い」の「互い」って書いて「相身互い」って読みます。
まあ基本的には同じ環境にあるもの同士が同情して助け合うということと、そうした間柄っていうんですけども。まあ この映画の場合には知らず、知らずの間にみんなに影響を受けて、お互い助け合っているんだよ、と・・。そういうもうちょっと広義な話ですよね。
そういう認識で映画に入ると見方が変わるかもしれないですね。
東 私も観たんですけど、めちゃくちゃ泣きましたね。自分でも気づいていないところで誰かのことを自分が助けていたり、自分も誰かにそうやって助けられているんだなあっていうふうに思えるので、まあすごく人生賛歌みたいな映画になっていると思いますし。後半にかけて、なんかパズルのピースといいますか、ピタゴラスイッチみたいな感じで全部綺麗にいろいろはまっていくんですよ。そこがすごく観ていて、最初こういう亡くなった人にメッセージ送ったら既読がつくみたいなのって、わからないですけど日本映画で昔あった作品、亡くなった人のファンタジー映画かなと思ったら、全部こうやって現実に起きるような話だったから、ちょっと意外というかすごいなと思いましたし、人と人の不思議な縁とか繋がりが描かれている深みみたいなのがある作品が、今年は本当にいい作品が多いなという印象で。
荒木 そうですね。まあ人の繋がりですよね。
東 そう、縁ですとかね。
上地 ピースがはまるたびに涙が溢れるっていう・・・
東 そうなの。上手いよね、徐々にね。そんな感じで泣きました。
荒木 いわゆる伏線回収映画ですよね。伏線回収映画って難しいんですよね。
まず物語全体を緻密に計画しなくちゃいけない。それだけじゃなくてもうひとつは、その伏線を回収するタイミングと方法、これが失敗するとですね、感動が薄れちゃうんですよね。それからキャラクターもあります。その一貫性もありますよね。
この人がこんな行動をしないんじゃないか、というようなことも計算にいれておかないとわけわかんなくなっちゃう。だから編集も大変ですよね。
そういうことを上手く入れながらやらなくちゃいけない、観客を見ながらね。だからさっき言ったようなパズルですよね。そういう意味では、今回心の琴線に触れるストーリーと、この伏線回収を上手く組み合わせているので感動も倍加するっていうような作品に仕上がったんじゃないかな、と。
上地 なんか心がぎすぎすした時にもう一回見返したいなって思える作品でしたね。私、上地由真がご紹介したのは11月1日から公開の『アイミタガイ』でした。続いては映画ソムリエの東紗友美さんのおすすめ作品です。
東 私がご紹介するのは11月1日から公開中の『ぴっぱらん!!』です。今日は崔哲浩監督にお越しいただきましたー!崔監督、よろしくお願いいたします。
崔 よろしくお願いしまーす!
上地 よろしくお願いします。
東 はい、まずプロフィールをご紹介します。俳優として映画・ドラマ・舞台などジャンルを問わず幅広く活躍し、劇団野良犬弾を設立し・出演・プロデュース・演出を手がけるなど作り手としてもその才能を発揮。2022年にはご自身のルーツでもある在日コリアンの絆を描いた『北風アウトサイダー』で監督デビューされます。
この作品はロングランとなり、大ヒット、話題を集めました。そして今回2作目の監督作品となる『ぴっぱらん!!』が11月に公開。
兄弟の絆を中心に人間とは何か、宿命とは何かを考えさせる作品になっています。
続いてあらすじをご紹介させてください。
百鬼(なぎり)組の組長・百鬼剛の息子である三兄弟は全国にその名を轟ろかせていたが父が何者かに暗殺されたため、25年前にそれぞれが別の道に進むことになりました。
次男・要は百鬼組を継いでいましたが、元百鬼組の政治家・福沢正志が選挙を控え、服役していた丹羽組組長・丹羽毅が出所するタイミングで麻薬ビジネスを発端とする襲撃事件が発生。大阪で一目置かれる存在となっていた三男・湊の危機に長男・峻は・・・というお話になっております。
いや、監督・・・めちゃくちゃ面白かったです。
崔 嬉しい~。噓でも(笑)
上地 本当に面白かった!
崔 ありがとうございます!
東 この画面、このスクリーン、この熱量・・・もう久々に体感したんですけども。それぞれのキャラクターの顔の強さ。もうね、スクリーンに大きく強い顔が映ると、なんかね、血が沸き立つように私も興奮するんですけど。今回、登場人物が公式サイトに相関図を出されているくらい、たくさんいらっしゃるじゃないですか。
崔 はい。
東 全員が本当にいい顔しているんですよ、この映画。もう生きているな、この人たち生きているなって思えるような映画になっていて。その熱量をたくさん浴びて、エネルギーをもらって。うわあ~、これこの後どうなるのかな?!っていうふうな気持ちで試写室を後にしましたが。
上地 本当に続きが気になる!
東 いや、本当にそうだよね。
上地 あとやっぱり顔の強さって言った時、このチラシの崔監督の顔も相当強いね・・・
東 今と雰囲気がね(笑)
上地 今すごく優しい顔されて(笑)でもなんかこの映画の中でも優しいヤクザさんというか、優しい感じ。怖い???じゃなかったじゃないですか。それが逆にちょっと恐ろしいというか。どんな感じなんだろうって思わされました。いや~、抗争シーンも迫力がありましたし。
東 そうですよね。山口さんも階段から落ちるシーンはスタントなしで、ご自身でやられていたってお話されていたり、アクションも見応えありますし。全員、こんなにたくさん登場人物が出るんですけど、全員香ばしい!
崔 香ばしい?(笑)
東 全員香ばしいんですよ。もっと知りたいっていうキャラクターしかいないっていうのが、全員もう少しずつ「君たち知りたいぞ」っていう気になっちゃう要素のキャラクターがいっぱいでね。私、先日舞台挨拶でも崔監督とご一緒させていただいたんですけど、キャストの皆様に推しメンを聞いたりしたんですけど。絶対に自分はこのキャラクター気になる、っていう推しメンができるような映画にもなっているなあって。
上地 こんなにたくさん出てらっしゃる役者さんがいますけど、皆がキャラクターが立っているというか。
東 そう!そうなのよ!
上地 埋もれていないんですよね、皆さんが。すごいなっていうふうに思いました。
東 この『ぴっぱらん!!』のベースになっているものは何ですか?
崔 はい。今、東さんもおっしゃってくれた、一人一人ね、力がある顔、僕自身、広島ヤクザ戦争、深作監督のだったりとか昔の映画が好きで。スクリーンの端から端まで人がたくさん出ていて迫力のあるものがどうしても好きなんですね。僕、師匠・佐々部清と仰いで彼から演出を意識しているんですけど、まあなかなか登場人物が少ない映画が増えていく中で、僕はもう人がいっぱい出てですね、わちゃわちゃしているのが本当に好きなんですよ。なので、リハーサルの時から大勢の役者を呼んで、自分が考えていることだったり、リハーサル重ねて作り上げたので、そのへん褒めていただけて非常に嬉しいですね。
東 もうひとつ聞きたいんですけど、韓国語で「ぴっぱらん」は「血と雨」、「ぱらん」は「風」を意味しているとうかがいましたが、この「ぴっぱらん」という言葉も私は初めて、この映画を通して覚えた言葉なんですけど、このタイトルにした理由もぜひ聞きたいです。
崔 はい。さっき荒木さんが伏線回収って、別の映画でご紹介されていましたけど、僕、専門の脚本家でもないので、なかなかとっ散らかっている頭の構想をしていましてね。これ題名なんかも後付けなんですよ。プロデューサー・監督・脚本とかいろんな役割をやっているもんですから・・。後からこの映画が世の中に出た時に、観たお客さんが何を感じ、どういうふうにするんだろう?って、映画を先に自分の中で妄想しましてですね。で、観終わった人が「ああ、“ぴ”っていうのが“血”“雨”、“ぱらん”というのが“風”。ああ、人生になぞっているのかな・・・」とかですね、いろんなことが考えられるように、最終的にプロデューサーと相談してね、ひらがなで「これ、『ぴっぱらん!!」がいいんじゃないの?」みたいな感じで、みんなでこう意識した感じですかね。
東 俳優さんたちの演技がそれぞれ光っていて素晴らしかったんですけど、演技のご指導はどのようにされたんですか?
崔 あのやっぱり監督ってディレクターで方向性を示すのがディレクションの仕事だと思うのでどういう世界観を持って、どういう映画の中で生きて、っていう共通認識を、リハーサルで何回も何回も重ねまして。昔の巨匠だったりっていうのは当然リハーサルを重ねて時間を過ごして本番に臨む、っていう、その理想。予算がないにしてもね。それは“思い”で、できることだと思うので。なるだけ皆さん、リハーサルに参加してもらって、本番では一発で撮れるように意識しました。
荒木 元々映画を撮るきっかけっていうのはどういうことだったんですか?
崔 10代から役者のみで、運良くいろんな方々と共演させていただく中で、良い役者さんってどこから照明が当たって、どこのカメラから当たって、ってみんな場数でわかっていくもんじゃないですか。そういう中でやっぱりなかなか・・・単刀直入に言うと自分の思うような役と出会えなくて、ですね。作品作りたいな、なんてことが漠然と30代の前半に実はもうあったんですけど。やっぱり降旗監督だったり、神山征二郎監督だったり偉大な巨匠の作品に出ていく中でね、そんなに簡単に監督はするべきじゃない、ってブレーキをかけていたんですね、僕の中で。
なので、舞台の演出だったりプロデュースだったり、そちらで戯曲を書いたり、やっぱり気持ちを抑えられずやってきたんですが、コロナ禍の時に佐々部さんが亡くなってですね、ちょっと僕の中でぽっかり穴が開きまして。ふと自分と向き合う時間を1か月、2か月過ごした中で、佐々部清がデビューした『チルソクの夏』というのが全く僕と同じ年齢になっていたんですね、その頃の時に。ああこれは悲しんでいるばかりじゃいけないぞ、と。ああ僕がもう佐々部さんがあれだけの名作を作った年齢ならば、僕が旗を振って世の中に作品を提示しても、それが最大の供養になるんじゃないかなと思って腹くくりしましたね。
荒木・東 なるほどね~。
荒木 いろんなね、役割を果たしていますよね。脚本も監督も、プロデューサー的な役割もなさっているし、役者も。どれが一番大変でした?もちろん役者はね、初めから大変なことはよくわかっているんですけど。
崔 プロデューサーですね。やっぱり作品を作って世の中に、今こうやって素敵な番組にお邪魔させてもらっていますけど、世の中の人にどれだけたくさんの人に観てもらうかっていうのがエンドゴールで、そこからの道のりの方が長いですね。
荒木 あともうひとつは、テーマとして、前の作品もそうなんですけど、自分の系譜というか血脈、そういうものをテーマにされているという、非常に太いものが流れているなって気がするんですけども。この映画の、本当に続編も皆さん観たいと思うでしょうけれども。最後の終わり方がね、たぶん続編があるだろうなという期待されるような終わり方を・・・ちょっとこれ監督の意図に反するかどうかわからないんですけども、してらっしゃるので。どうしても観たいと思う流れの中で続編も考えているということでよろしいんでしょうか?
崔 もちろん僕自身は撮影するつもりですし、その動きに入っていますが。やっぱりキャストさんがね、売れている俳優さんたくさんいらっしゃいますから。出ていただけるかどうかとか、いろんな問題があるかと思うのですが。まあ僕自身の中ではこれからもどんどん、こういう映画作りはしていきたいなとは思っております。
東 私もちょっと、もうひとつ聞きたいことがあるんですけども。監督にこれを聞くのは野暮かもしれないんですけど。いろんなキャラクターが出てきて名シーンがたくさんあったと思うんですけど、監督のイチオシ押しのシーン、聞きたいです!
崔 はい。言いたいです、僕も!
崔 やっぱり山口祥行さんの峻、そして福士誠治さん演じる湊。彼の、救った瞬間の湊がいわゆる何十年ぶりかに怪我をして兄貴が救ってきた瞬間の福士さん。走馬灯のようにいろんなことが過去を思い出したと思うのですが、まあ役者のというかね、福士さんの魅力から始まって、2人のまた月日が流れてですね、そのあと2人でタバコを吸うシーンなんかがあるんですけど。あそこなんかが僕は、無言なんですけど、あんまり映画にセリフとかそんな必要ないって、どちらかというと思っているほうで。なんだったら無言映画みたいなのを今度作ってやろうと思っているくらいなんですけど。2人の佇まいっていうのは最高かなと私は思っています。
東 私にとっても印象的なシーンでした、ここ本当に。
上地 私も一番印象に残っているかもしれない。
東 たしかに、ここ見てほしいですよね。お客様には特に。ありがとうございます。
上地 最後に監督からぜひリスナーの皆さんにメッセージをお願いできますか?
崔 はい。今回の『ぴっぱらん!!』は只今絶賛公開中で、全国で三十数か所公開されていますけども、これ女性が観ても本当に楽しい映画になっています。
ヒューマンバイオレンスというふうに売っていますが、本当に何も考えずにそのまま劇場に行っていただいて、老若男女皆さんが楽しむ映画っていうのを意識して作りましたので、ぜひ劇場に来てもらえたらなと思います。
東 私、東紗友美のおすすめ映画は11月1日から公開中の『ぴっぱらん!!』でした。ぜひ映画館に足を運んでみてください。
上地 崔監督、今日はありがとうございました。
崔 ありがとうございました。
上地 映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました。
荒木・東 ありがとうございました。
この記事の番組情報
上地由真のワンダーユーマン
月 21:30~22:00
上地由真がメインパーソナリティを務め、アシスタントとして文化放送・山田弥希寿アナウンサーが進行役を務めます。 番組では毎週テーマを設け、“由真的”テイストで進…