年金3号見直しについて武田砂鉄「廃止のスローガンよりもまず議論を」
11月5日(火)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)では、年金「3号」見直しは具体策議論を、という朝日新聞の社説を紹介した。
番組で紹介した朝日新聞には年金「3号」見直しは具体策議論を、とある。国民年金の「第3号」の制度をめぐる議論が広がってきたが、専業主婦が多数派で、働き手も潤沢だった時代にできたこの仕組みは、女性の処遇改善やキャリア形成を阻んできたとも指摘される。ただ、「廃止」にまで踏み込むには課題があり、具体的で丁寧な検討が必要だと記事には書かれている。
公的年金の加入者は、自営業や学生が対象の第1号、会社員や公務員の第2号、第2号に扶養される第3号に区分され、3号は自ら保険料を払わなくても国民年金(基礎年金)を受け取ることができる。扶養を外れる収入は、従業員51人以上の事業所で106万円、それ以外では130万円で、その手前で働く時間を調整する「年収の壁」があるとされてきた。労働組合の中央組織の連合は先月、3号の廃止を求めていく方針を決め、国の審議会などで要望するという。衆院選では、国民民主党が見直しを、日本維新の会が3号の廃止検討を公約に入れた。政府は「年収の壁」について、保険料を実質的に肩代わりする時限的な助成金を用意し、同時に制度の見直しにも取り組むとしている。
ただ、朝日新聞の社説では次のように述べられている。3号の加入者の中には、育児や介護、本人の病気や失業などの事情で勤めに出られない「弱い3号」もいる。そうした人々にとって3号で得られる基礎年金は、老後の最低限の生活の支えにもなってきた。その人たちへのセーフティーネットの用意なしに3号を廃止し、自営業者らと同じ扱いにして保険料を徴収するのは無理がある。新たな安全網としての給付の規模や範囲、財源をどう詰めるのか、それこそが肝心であり、スローガンを超えた議論が求められる。
この記事を受けてフリーライタの武田砂鉄氏は、ここ1週間ぐらい「年収の壁」というスローガンが連呼されていて、もちろんその見直しは必要なのだろうけど、 誰しもが『もっと働きたい』と考えているというわけでもないだろう。だから朝日新聞の社説にある「弱い3号」というのは非常に 大切な指摘だと思うし、社説の締めくくりにあるスローガンを超えた議論が求められるというのは、本当にその通りだと思うと発言した。
番組パートナーの小島慶子は、今は結婚をされない方も多く、結婚してお別れする方もいる。色々な形で人生を長く生きていくのだから、昔みたいに誰もが結婚し、家庭を持ち、働く人とそれを支える人がいるという、同じような家族が日本中にいるものだという前提で制度を作り社会が回った時代とはもう違うと言い、誰もが安心して暮らせる制度になるように考え直すべきだと自らの考えを述べた。
「大竹まことゴールデンラジオ」は平日午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。