コンクリート製造会社が海の栄養剤!?「海と生物から考える共創とビジネスの可能性」
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2024年10月28日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「海と生物から考える共創とビジネスの可能性」をテーマに常連さん株式会社イノカCEO・高倉葉太さんとたがえみちゃんが「第三回 港区オープンイノベーションフェア」に登壇しトークを展開しました。
田ケ原:オープンイノベーションというと、異業種との交流や提携によって、革新的なサービスや新規事業を指しますが、高倉さんはオープンイノベーションというと何を思い浮かべますか?
高倉:イノカのやってることそのものがオープンイノベーションだと思いますね。多くのベンチャー企業、スタートアップは自社プロダクトがあって、ユーザーを増やすことが多いと思います。イノカは、ベンチャーの視点で色んな企業の技術の価値を「異分野からすると…」と再定義することだと思います。具体的なものだと、コンクリートを扱う大成生コンとの取り組みです。地方では公共工事が減っていて、このままだとコンクリートの使用量が減る。「コンクリートを作る」の価値は、再定義すると「混ぜてこねること」。道路工事のコンクリートだけではなく、「海の栄養剤を精製する(こねる)」と再定義。「鳥の糞を混ぜてみたら、道路に使えないけど、空気を一杯含むものができた」という風に、既存の企業に対して新たな未来を提案したことがあります。
田ケ原:コンクリートと聞くと建物とか、道路とかそういったところでしか利用用途がないと思ってしまいますよね。そこにチャレンジされたのは大きいですね。
高倉:日本は中小企業が9割以上で、そこにいろんな技術や可能性が埋まっていてこんなニッチな分野ってあるんだ!と。まぁ、自分たちが何を言ってるんだといいうのがありますけど(笑)
田ケ原:そうですね(笑)
高倉:でも、こんな技術があったんだ!と思いながら、僕らのビジネスも進めていますね。
田ケ原:海業界ということでくくると、オープンイノベーションは進んでいるんですか?
高倉:海の大きなテーマだと「海ごみを減らしていく」とか「洋上風力発電」など、ど真ん中の大きな課題に対しては、進んでいますが、我々はもっと小さなフジツボやサンゴといった範囲に絞って、話を聞いていく中で「あなたの会社はフジツボがぴったり」「あなたの会社はサンゴがぴったり」みたいなカウンセリングをやって、我々なりにカウンセリングを行って、海の価値を再定義していきたいと考えています。
田ケ原:ただ、グリーン(環境)やブルー(海洋)はビジネスにしにくいのでは?
高倉:我々の中で、最近立ち上げたのが「瀬戸内なぎさフォーラム」というプロジェクトで、瀬戸内海の海ごみだけではなく、海藻による海の森を、企業の色んな力でよくしていこうと、中国銀行さんや広島銀行さん、百十四銀行さんと地方銀行さん、JR西日本さんやキヤノンさんといった大企業さんとタッグを組んで、全員がもつ知見を使って海の森を守るぞと、仕掛けていますね。
一方で気になるのが、「オープンイノベーションにおける技術の漏洩」たがえみちゃんが切り込んだ。それに対する高倉さんの回答は?
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高倉 葉太さん
東京大学在学中の2016年に、モノ作りサービス会社「Makership」の創業メンバーとして参画。最高執行責任者「COO」に就任。2019年4月には、環境移送企業「イノカ」を設立され、代表取締役に就任。近年は、デロイト トーマツ コンサルティングとの「ブルーエコノミー」の推進や中高生の起業家人材育成など、活躍の場を広げている。
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浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…