伊藤詩織さん監督映画に小島慶子「ジャーナリストには守らなければならないルールがある」

伊藤詩織さん監督映画に小島慶子「ジャーナリストには守らなければならないルールがある」

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10月22日(火)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)では、ジャーナリストの伊藤詩織さんが制作したドキュメンタリー映画に、当事者の許諾を得ぬまま音声や動画が使われていると、弁護士らが記者会見したという東京新聞の記事を紹介した。

番組で紹介した記事によれば、ジャーナリストの伊藤詩織さんが制作したドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」に、当事者の許諾を得ぬまま音声や動画が使われており、「取材源の秘匿が守られておらず、人権上問題がある」と、伊藤さんが性被害による損害賠償を求めた訴訟で代理人を務めた弁護士らが21日、東京都内で記者会見し、伊藤さんに許諾を得て再編集するよう求めている、とある。

記事によれば、会見した弁護士らのうち、伊藤さんが性被害を受けた訴訟で代理人を務めた西広陽子弁護士は「伊藤さんは、泣き寝入りしないために声を上げたはずなのに、声を上げた人が泣き寝入りを強いることをしている。彼女なりの『正義』の表し方なのだと思うが、一弁護士として見過ごせない。ペンも暴力になるが、映像や音声も暴力になる。私との会話が無断で録画されている映像を目にし、ただ大きなむなしさだけが心に残った。これ以上失望する人を出さないでほしい」と訴えた。

この記事を受けて番組パートナーの小島慶子は、次のように発言した。伊藤詩織さんが性暴力被害を受けた時に、その裁判で伊藤さんを弁護してきた、一緒に戦ってきた弁護士さん達が今回声を上げた。なお、伊藤さんが性暴力の被害を受けた事実については司法の場で決着がついている。今回の件は、伊藤さんは自身がジャーナリストであるとして作品を世に出しているが、ジャーナリストには守らなければならないルールがあり、それは、自分が情報を得た場合その情報源の人を危険に晒す、またその人の許可を取らずに無断で情報を使う等はやってはいけない等であるが、今回は伊藤さんがその倫理に違反していると弁護士達が公表した、と説明した。

そして、今回の伊藤さんの映像作品の中に、本来公開されてはならないというルールを守ってないものが含まれているのだとしたら、それはジャーナリストたちの(取材して世に出す)権利に関して自ら首を絞めてしまうことになる。東京新聞にある西弁護士の発言は、伊藤さんは(性被害の事実について)泣き寝入りをしないために、ホテルの映像やタクシーの運転手さんの証言等を証拠として提出することで、司法の場でその被害を認められたわけだが、それらの証拠を今回の映像作品の中で無断で公開することにより、今後そうした証拠が性暴力被害者のために提供されなくなる可能性もあり、もしそうなれば、今後性暴力被害にあった人は自分を守る証拠を誰にも出してもらえなくなり泣き寝入りせざるを得なくなってしまう、という発言であると解説した。

またこの問題をきっかけに、性暴力被害者なんて全員信用できないだとか、性暴力被害者は嘘つきだというような、いわゆる誹謗中傷や性暴力被害者に対する攻撃が広がることをまず懸念していると発言した。

そして、今回の一件がもし本当に伊藤さんの側に落ち度があった場合、フリージャーナリストはやっぱりいい加減なのではないかという言いがかりをつけてくる人が増え、例えばフリージャーナリストを排除しようとか、公の機関が認めた人のみを記者にした方がいいという風な、フリージャーナリストには情報を与えない方がいいとか、 報道規制とか、あるいは言論統制につながりかねないようなことを、公権力の側が言い始める可能性について懸念していると述べた。

 「大竹まことゴールデンラジオ」は平日午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 

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