ガザ戦闘における犠牲者、1年間で異常な数に

ガザ戦闘における犠牲者、1年間で異常な数に

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、10月9日の放送に毎日新聞論説委員の小倉孝保が出演。始まって1年が経過したガザ戦闘について解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから、今月7日でちょうど1年となりました。戦火はまったく治まっていません。ガザ保健当局はガザ側の死者、少なくとも4万1870人に達したと明かしました。ガザの人口の9割、190万人以上が避難生活ということです」

長野智子「1年前に想定した中で最悪の事態に来てしまった、という感想があります」

小倉孝保「1年ということでいろんなところが分析をしています。イギリスを本部にしている国際NGOで、すごく大きなオックスファムというのがあるじゃないですか。オックスファムが今回の戦争をデータで見たときの異常性を示しています。たとえば女性や子供の死亡の数。世界のあらゆる、ここ20年間の紛争、戦争の中でも最も多い数なんです」

長野「具体的に人数も出ているんですか?」

小倉「はい。オックスファムが収集したデータで女性は6000人以上、子供が1万1000人以上なんですね。ハッキリと名前がわかった、この人が殺されたとわかっているだけの数なんです。おそらくもっと実態は大きい」

長野「がれきもたくさんありますからね」

小倉「なぜ『女性と子供』と集約しているか。この人たちは少なくともハマスの戦闘員ではないと。男性も戦闘員でない人はたくさんいるけど可能性はあるから少しおいて。たとえばイラクの2016年の数字って、かなりの人が内戦で殺されているんですよ。それでも女性の最多の犠牲は2600人なんです。1年間にですよ。それが今回、6000人でしょう」

長野「はい」

小倉「シリア紛争ってかなり厳しい紛争でいまも続いている。最初の2年半って本当にお互い、殺し合ったような紛争でした。その2年半で殺害された子供の数が1万1000人なんです。ガザの1年間と同じ数なんです。どれだけイスラエルのネタニヤフ首相が『極力、市民に犠牲が出ないようにやっているんだ』と言ってもデータを見る限り、明らかに市民が犠牲になっても仕方ない、というやり方をしているんですよ」

長野「本当にそうです。人道的に最悪の状況。見ているとイスラエルをもう止められなくなってしまっている」

小倉「ネタニヤフ政権がなぜここまで徹底してハマスや、レバノンのヒズボラの掃討作戦をしているのか。もちろん1年前の10月7日、ハマスにイスラエルの市民が殺されて、しかも大量の人質がとられた、そのショックが大きすぎた。イスラエル国民に『このままにしておけない』ということでハマス掃討作戦への指示が非常に高まっていた、というのはあると思います。いまハマスの反撃能力ってほとんどなくなっています」

長野「はい」

小倉「それでも今度はレバノンに行ってヒズボラを徹底的に壊滅させるんだ、と。恐らくイスラエルの頭にあるのは、その後ろにいるイランの戦闘能力をどれだけ削れるか。ハマスやヒズボラを支援できないかたちにどうさせるか、というのを視野に入れている。なかなか止まらないですよ」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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