24年度上半期の企業倒産件数が10年ぶりに5000件超える。目立つ要因は物価上昇の影響。
10月9日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、今年度上半期の倒産件数が10年ぶりに5000件を超えたというニュースについて意見を交わした。
森永氏「この状態を『新陳代謝が進んで素晴らしい』という論評もあるが、それは間違っているんじゃないかと思う」
物価上昇によるコストの増加が、経営不振の中堅・中小企業の退場を加速させているという。
2024年度上半期(4〜9月)の企業倒産件数は、半期として10年ぶりに5000件を超えた。コスト上昇分を販売価格に転嫁できずに破綻する企業が多く、今後は金利上昇も倒産の増加要因となる見通しだ。
倒産の要因として目立つのは、物価上昇の影響。帝国データバンクによると、上半期の「物価高倒産」は472件となり、半期としての過去最多を更新した。業種別では資材価格の高騰や人手不足に悩まされている建設業が127件と最も多く、製造業93件、小売業87件がこれに続く。
寺島尚正アナ「東京商工リサーチによると、特に規模の小さい企業ほど価格転嫁を十分に進められない傾向にあり、24年度上半期の倒産のうち、負債総額1億円未満の倒産が3830件と全体の75%を占めています。倒産集計では対象外の負債1000万円未満の倒産も29%増えたということですが、森永さん、こちらいかがでしょう?」
森永康平「倒産が増えていくだろうというのは前々からいっていた通りで、やはりゼロゼロ融資の本格化もそうですし、今記事にあった、価格転嫁がうまく出来ないということもありますし、業種によっては人手不足というのもあるわけで。倒産が増えていくだろうというのは予測出来ていたわけですが、これをどう見るかだと思うんですよね。今、紹介した記事は読売新聞がベースになってますが、他の新聞とか見てみると、中には『新陳代謝が進んで素晴らしい』ぐらいの、前向きに書いている人たちもいるわけなんですけども、その見方は違うだろうと思いますね。やっぱり政策の不備によって倒産せざるをえなくなった会社というのもあると思いますから、そこを『新陳代謝が進んでいい』っていうのは、いわゆる『ゾンビ企業論』と一緒だと思うんですよね。なので市場競争の中で潰れていく会社がありますというのはそりゃそうだろうと思いますけども、100%がそうじゃなくて、明らかに政策の不備によるものもあった。そこをちゃんと省みないと、今後もまったく同じことが起きるわけで、これが新陳代謝による素晴らしいものだという評価は間違えているんじゃないかな?と思いますよね」
寺島「これ、政府はどうすればいいんでしょうねえ?」
森永「そもそもですね、インボイス制度の導入も含め、負担増政策を変なタイミングでするなっていうところなんですよね」
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