社会起業家こそ社内起業!「社内起業家という働き方」

社会起業家こそ社内起業!「社内起業家という働き方」

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2024年9月30日、10月7日の浜松町Innovation Culture Cafeは、「社内起業家という働き方」をテーマに、ロート製薬株式会社/親子Smile合同会社最高経営責任者の武田幸恵さんと富士通Ontennaプロジェクトリーダー・本多達也さんをお迎えし、2週にわたって「社内起業家」にフォーカスしました。

入山:最近は社内起業家、企業に所属しながらスタートアップ的な事業を作る方がいるということで、今回はその現状を伺います。最初に武田さんから伺いますが、ロート製薬の中で社内起業をされていますが、制度はどのようになっていますか?

武田:ロート製薬では、「明日ニハ」プロジェクトというのがあり、社内で起業したい人が手を挙げて、それをサポートするプログラムが用意されています。基本的に、ロート製薬本体の事業とは被らない、人々をウェルビーイングにする事業なら何でもチャレンジして良いというものです。ロート製薬の経営陣にプレゼンして、そこでGOが出れば社内通貨(アルコ)でクラウドファンディングの挑戦権がもらえます。それで社内に向けてクラウドファンディングをお願いし、プレゼンで得た社内通貨を資本金として起業するものとなります。

入山:本多さんは、富士通ではどうだったのですか?

本多:僕の場合は、そういう制度が無くて、まず協力してくれる部署を探すところから始めました。

入山:それって、単なる社内起業と違って難しくないですか?既に社内で仕事をしている人に、「一緒に起業しよう!」って言うんですよね?

本多:そうなんです(笑)めちゃくちゃハードで、ただ富士通のトップが良かったのは、社内に「ちゃんと協力してよ」と言ってくれたことと、「お前のために1000万円用意した」と言ってくれたこと。それと以前「富士通フォーラム」という社外向けイベントを行っていて、ブースを置かせてもらって社外にアピールしました。それが色んな人の「イイネ」をいただき、グッドデザイン賞になるんです。受賞したことにより、社内の風当たりがさらに変わり、居場所ができました。

入山:賞をとるって大事なんですね。

本多:そうなんです。社外からの評価って実は大事って言うのと、富士通フォーラムで、社外から「富士通、これ(Ontenna)やるんでしょ?」と言われる。それで、少しずつ雰囲気を作っていくのが1年目でした。

入山:だんだん仲間が増えてきたんですか?

本多:そうなんです。これで予算がついて、どうやってビジネスにしていくか?っていうのが始まります。

入山:いま、日本で社内起業家ってどのように思われていますか?

本多:いま、日本で社内起業家をとにかく増やしたいって思って「SDGs時代のソーシャル・イントラプレナーという働き方」という本を発売しています。日本の企業が社会課題にチャレンジしていく中で、社内起業家がチャレンジするのが、日本をよりよくしていくうえで一番早いんじゃないかと思っています。

入山:社会起業こそ、社内起業で行うってことですか?

本多:その通りです。儲かるか、儲からないかで言ったら、なかなか儲からないし、結果が出るまで時間がかかる。企業の中で行うのが、チャレンジャーからしても心理的安全性が高いし、日本の企業の色んなリソースを使える。知財、特許をとるのもスタートアップ企業でとるのは大変です。外部の賞を応募するにも、「通りそうなノウハウ」ってあるんですよ。こういう書き方してとか。

入山:大企業だと、そういうノウハウもあるし、「すぐ儲けろ」とはならない。恐らく、大企業からしたら、いまはSDGsとか社会貢献って求められているじゃないですか。だから、経営陣からしても「御社は、社会貢献やってるんですか?」と言われたら「ウチ、Ontennaやってますから」って言えますよね。

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本日のお客様
武田 幸恵さん
2004年にロート製薬に入社し、長年スキンケア製品の開発に携わる。二人のお子さんの出産・育児休暇を経験後、長女の小学校入学を機に地方移住。現在はスキンケア製品開発部での研究開発職に加えて、営業現場での
学術業務を兼務。

本多 達也さん
大学時代に手話の通訳のボランティアや手話サークルの立ち上げ、NPOの設立などを経験。人間の身体や感覚の拡張をテーマに、聴力にしょう害のある“ろう者”と協働して新しい音知覚装置を研究。研究も高く評価され、2014年度未踏スーパークリエータ、Forbes 30 Under 30 Asia 2017、2019年度グッドデザイン金賞など受賞歴も多数。2022年よりデンマーク・デザイン・センターにてゲストリサーチャーを兼任。2023年には日経BP社から「SDGs時代のソーシャル・イントラプレナーという働き方」を発売。

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