『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    一段と使いやすくなった「マイホーム借り上げ制度」

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    一段と使いやすくなった「マイホーム借り上げ制度」

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2024」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

今回は、一段と使いやすくなった「マイホーム借り上げ制度」についてのお話です。

思ったほど使われなかった制度
「マイホーム借り上げ制度」のJTI(移住・住みかえ支援機構)を始めて、18年になります。最初の頃はね、ちょうど残間さんの世代の方が、まだ60歳前ぐらいでした。皆さん、定年後はきっと田舎に行ったりとかするだろうと、そういう話で盛り上がってたんです。だから、現役時代に買われた3LDKを有効利用できるような制度を作りました。実際、その頃預けてくださった方は、家賃の合計が平均で1千万ぐらいになってます。利用された皆さんは、家を手放さずに賢くやられていて、家が稼いでくれている。でも最初は、制度を使われる方が驚くぐらい少なかったんです。そういうことなのかなと思って、がんばって続けてきたんですけど。

「住み替え」のフォローが必要な人はどこに
これから、残間さんたちの年代の方々がいわゆる「後期高齢者」のほうに入っていきます。で、経験則としては、この後介護施設に行かれたりというのはあるんですけど、ブームとして田舎に動くとかっていうことは、もうないでしょう。では、これから「住み替え」って、どういう人たちをフォローしてあげるといいのかな、っていうのをもう一回考えてみようということになりました。もちろん転勤される50歳以上の方が軸なんですけど、最近は転職が普通になっているので、その時に住み替えることも出てきているんですね。

家を売らなくても「動ける」システム
不動産を売って動きたいという人もいます。今はたまたま上がってますけど、タイミングが悪い時もありますよね。そういう時は3年ぐらい待っていればまた値段が戻ることもあるので、そういうのも助けてあげたいなというのもあります。
後はね、最近は若い人がものすごい頻度で離婚なさるでしょう。その時家をどうするかっていうのが、本当にめんどくさいんです。どっちかが「ローンも一緒に引き取ります」だったらいいんですけど、たいていどっちも住みたくないとか、そういうことになりがち。なのに「ペアローン」って言って両方で独立してお金借りてたりすると、もうわけわかんなくなったりとか、いろいろあるので。まあ、弁護士さんなんかから相談を受けることがありました。そういうケースにも柔軟に対応できればと思っています。それから、若い女性の方でマンション買って、そのあと結婚しちゃって住まなくなったのをどうしようか、というケースとか。

自分は対象外と思わず、まず相談を
規則で決まっているので、50歳の年齢制限を撤廃することはできないんです。ただ、事情があれば、全体の半分ぐらいまでなら、例外があっても構わないということにもなっています。ルールを頑なに厳しく適用するんじゃなくて、「そういうこともあるよね」っていうものを受けていきたい。自分は対象外だと思わず、まずはJTIに相談してみてください。
「投資用の物件を買ったけど、うまく回らないのでやってくれる?」というのは全然ダメなんですけど、「普通に暮らしてたら、そういう問題が出てきたりするよね」っていうのは、できるだけ制度を適用できるようにしていきたいと思っています。

今日は「マイホーム借り上げ制度」について改めて考えてみました。
メールをお寄せいただき、ありがとうございます。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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