『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 雑誌『ハルメク』編集長・山岡朝子さんと、大人世代のトレンドを語る(前編)
金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司(青山学院大学教授)さんと、フリープロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。
この記事では、「大人ファンクラブってどんな番組?」という方のために、コーナー「大人ライフ・アカデミー」をもとに作成された大垣さんのレポートをお届け。ラジオとあわせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。
2021年2月6日の放送は、ゲストに雑誌『ハルメク』編集長の山岡朝子さんをお呼びしました。出版不況の中、2017年上期から6期連続で部数が伸びている異例の月刊雑誌『ハルメク』(注:日本ABC協会発表)。敏腕編集長の山岡さんに、大人世代の今後について思うことをうかがいました。
後編はこちら。
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●雑誌『ハルメク』編集長 山岡朝子さん
1997年主婦と生活社に入社。『素敵な奥さん』『CHANTO(チャント)』など、ライフスタイル系の雑誌編集長を歴任。2017年に株式会社ハルメクに入社後、月刊誌『ハルメク』編集長に就任。誌面では、50代以降の女性に向けて、健康、料理、旅、ファッション、美容など、様々なテーマを取り上げ、就任後2年で実売部数を2倍に引き上げた。
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●今、一番勢いのある雑誌『ハルメク』の編集長をお迎えします
鈴木 本日のお客様は、雑誌『ハルメク』編集長、山岡朝子さんです。残間さんが2019年に『ハルメク』誌面にゲストとして登場されたんですよね。
残間 はい、呼んでいただきました。きょうはどうぞよろしくお願いします。
山岡 よろしくお願いします。
大垣 『ハルメク』は今、本当に勢いがすごいそうですね。販売部数が2020年の女性誌第1位で、全雑誌中でも第2位ですか。この出版不況の中、2017年上期から6期連続で部数が伸びていますよね。
山岡 ありがとうございます。
残間 今、何部ぐらいなんでしたっけ。
山岡 2021年2月現在で37万部です。
残間 『ハルメク』って書店に置かずに、直接家に届ける直販タイプの雑誌でしょう。それで37万部はなかなかできることではないですよ。
●読者は母親?! まだまだ未確立な「大人世代」マーケティング
大垣 山岡さんにお会いして思ったんですが、山岡さん自身は『ハルメク』読者層の年齢よりだいぶ下ですよね。
山岡 そうですね。『ハルメク』読者は私にとって親世代です。ハルメクに入社することを伝えに両親に会いにいったら、なんと母親が『ハルメク』読者だったことが分かり、驚いたことがあります(笑)。
残間 親世代をターゲットにしているんですか?
山岡 そうですね。人生の先輩に色々教えていただける、お得な仕事だと思っております。
大垣 でも実際、山岡さんのお仕事ってかなりチャレンジングですよね。
これまでのメディアって基本的に、年長者が若い人に向けて文化を発信するっていう経験しかなかったじゃないですか。
山岡さんみたいに、年長者を見上げて仕事をするっていうのは、まだどこの組織も経験がなくて、手法が確立されていないと思うんですね。そういう中で上手にやるのってすごく難しいですよ。
山岡 ありがとうございます。
●雑誌だけで完結しない、「ハルメク」の世界観を楽しむシステム
大垣 もう一つ『ハルメク』が新しいなと思ったのは、雑誌だけで完結していないんですよね。ハルメクが主催する講座があったり、通販があったりするじゃないですか。ハルメクというシステムみたいなものを、立体的に構築しているというか。
山岡 はい、そうなんです。「ハルメク」という世界観を全体的に楽しんでいただけるような作りを目指しています。
たとえば、残間さんに誌面にご登場いただいたときは、実際に残間さんの講演会を開催して、ハルメク読者が聞きにこられる、というようなイメージですね。それから、誌面に載っている情報に役立つ商品が通販で買えたりとか。
大垣 これまでの雑誌にはなかった動きですよね。
●シンクタンクを設置し、綿密に「大人世代」の調査を行う
残間 私は女性誌の編集長の経験もあるのですが、女性誌って、格好良くおしゃれに作ろうと思うばかりに、現実と乖離するっていうこともままあるのですよね
それも一つの役割と言えばそうなんですが、『ハルメク』はそういうタイプの雑誌とは違いますよね。
実用記事では現実をしっかり直視しつつ、それにそぐう生き方みたいなものも掲載されていて、半歩先を見る面もあるという、バランスが非常にいいな、と思います。これは山岡編集長のセンスなのでしょうが。
それから、聞きたくても誰に聞いていいのか分からないことなどが載っているのも「いいですよね。「最近、髪の毛を染めずにグレーのままにするのが気になってきたけど・・・」なんて考えていると、すかさず次の号にそれが出ていたりして。
山岡 ありがとうございます、嬉しいです。
先程の話でもありましたが、『ハルメク』の編集部員には60代や70代、それ以上の世代がいないんです。
なので、読者の方々がどんなことを考えているのか、社内にシンクタンクを設置して熱心に研究しています。本当に、外からは想像できないぐらいですよ(笑)。
雑誌のモニターさんを「ハルトモ」とお呼びしているんですが、その方達が3000人ぐらいいるんですね。そこに向けてアンケートを取ったり、交流会や座談会なんかを毎月行っています。
大垣 『ハルメク』の勢いの理由は、綿密な調査の賜物なんですね。
鈴木 まだまだお話を伺っていきます。
後編はこちら。
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この記事の番組情報
大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…