『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長・古田貴之さんと、人工知能のこれからを考える[前編]
金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司(青山学院大学教授)さんと、フリープロデューサー残間里江子さんが、楽しいセカンドライフを送るためのご提案をお届けする番組『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』。
この記事では、「大人ファンクラブってどんな番組?」という方のために、コーナー「大人ライフ・アカデミー」をもとに作成された大垣さんのレポートをお届け。ラジオとあわせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。
2021年3月13日の放送は、ゲストをお招きしてのスペシャル回。千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長は、災害用ロボットから自動掃除機まで、さまざまなロボットを作り出しています。人工知能やディープラーニングといった技術がもてはやされる社会に対して、古田さんが思うこととは。
古田貴之さん(千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長)
1968年東京生まれ。青山学院大学理工学部助手、科学技術振興機構のロボット開発グループリーダーを経て、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長に。福島第一原発で、全フロア踏破可能な災害用ロボットを開発、政府の原発冷温停止ミッションを成功させる。2018年には、機械生命体「CanguRo(カングーロ)」を発表。ロボットの研究開発、機能とデザインの一体化を目指している。
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●古田貴之さん(千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長)
鈴木 改めて早速ご紹介いたします。本日のお客さま、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長です。よろしくお願いします。
古田 よろしくお願いいたします。
残間 古田さんは、私が主催する、大人世代向けの会員制コミュニティ「club willbe」で講演を行ってもらったことがあるんですよね。
お会いする前は、真面目一本な方なのかなと思っていたのですが、実際にお会いしたら全然イメージが違って。まるで春みたいな人だなと思ったんです。明るくて、みんなの希望と夢を叶えてくれるというか。
会う前と会ったあとで、これだけイメージが変わる人っていなかったなと驚きました。長く生きてきて、結構いろんな人にお会いしてきましたが、こんな体験はなかなかありません。
いつかまたお会いしたいと思っていたので、きょうは大垣さんに頼んで呼んでいただいたという次第です。
古田 よろしくお願いします。多分、世界一博士っぽくない男です。
残間 いやいや(笑)。
●乗り物にも、パートナーにもなる、新しい知能ロボット「CanguRo」
大垣 ロボットっていうと、機械的に動く部分と、人工知能として考える部分があるじゃないですか。古田さんとしては、どちらに興味がおありなんですか。
古田 うーん。僕の元々のメインは人工知能系なんですが、ただ、ロボットって、動く部分と知能が両輪だと思っているんです。人間の体と同じです。心も体も全て一体で、一つのものと。
大垣 なるほど・・・。古田さんのプロフィールに「2018年には、機械生命体『CanguRo(カングーロ)』を発表」とありますが、これはどんなものなんですか。
古田 CanguRoは、fuRoでは「変形する搭乗型・知能ロボット」と紹介しています。YouTubeには、こんな紹介動画をアップしています。
2019年に、Beazley Designs Awardsっていう、ロンドンの大きなデザインアワードを獲りました。フォーブスにも掲載されています。
動画を見ていただくと分かるんですが、CanguRoには人工知能が搭載されていて、ご主人様の表情を認識して呼び止めたりするんです。たとえば、「やれやれ」って顔をするとついてきたり。
残間 心配で?
古田 そう、心配で。で、「相手してやるか」っていう顔をすると、空気を察して、自動でロボットからバイクに変形します。
大垣 (動画を見ながら)本当だ、バイクになった。
古田 このモードになると自動で運転をしてくれます。CanguRoの中にはグーグルカ一の10倍のパフォーマンスを持っている自動操縦の技術が入っているんですよ。高速のスラロームだったり、複雑な動きもできます。それから、お尻に振動スピーカーがついているので、「スピード出しすぎだよ」とか「右前方にコンビニがあるよ」って話しかけてきたり。
大垣 散歩に連れていかないとギャーギャー言うとかは・・・。
古田 ある。
大垣 あるんですか(笑)。なんだか犬っぽいんですね。
古田 まさにそうなんです。バイクにもなるし、ロボットとして人のパートナーにもなります。
●きっかけは妻からの「そんなもの買うわけない」という言葉
古田 CanguRoを作る前も、いろんな乗り物を作っていたんです。でも、あるとき思ったんです。これはイノベーティブじゃないなと。
それを痛感したのは、うちの妻と話していたときです。
ある新しい乗り物を作ったときに、妻に尋ねたんですね。「これ、かっこいいし、自動操縦もついてるんだけど、買う? 10万円ちょっとなんだけど」と。グッドデザイン賞も獲っていたような乗り物だったんですよ。でも、「そんなもん買うわけないじゃない」と言われてしまって(笑)。
そのときに、ただの乗り物を作ったんじゃダメなんだなと思いました。乗り物の定義を根本から変える必要があるんです。ときにはロボット、ときには乗り物と。
大垣 なるほど。
後編では、古田さんが考える「これからのビッグデータ・人工知能」や、自動掃除機RULOを開発した経緯などをお伺いしていきます。
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この記事の番組情報
大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…