20年以上も「ずっとこの話してる…」繰り返されるプライマリーバランス議論 ~6月10日「おはよう寺ちゃん」
6月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の原案を政府が公表した件について話す場面があった。原案では国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)について言及されているが、長きに渡って議論されているにも関わらず未だ解決されていない。番組パーソナリティーである寺島尚正アナウンサーと、木曜コメンテーターのストラテジスト・嶋津洋樹氏からは厳しい指摘が飛んだ。
「2025年度に黒字化」従来目標を堅持
まず寺島アナは、「国と地方のプライマリーバランスを2025年度に黒字化する従来の目標を堅持すると明記しています。その一方、新型コロナウイルス対応で歳出が膨らむ現状を踏まえ、今(2021)年度内に目標年度を再確認する方針を示しました」と骨太の方針の内容を解説。続けて、「財政再建の先送り論が政府与党内で勢いづく可能性がある」との現状を伝え、これに関する見解を嶋津氏に求めた。
「財政再建って基本的に長期の目標というか、10年とかそういう単位でやっていくものなので、2~3年とか5年くらいでの議論をどうこうするっていうのは、そもそもそぐわない話題ではあるわけですね。それから、財政再建は景気との兼ね合いが当然あるものなので、景気を抑える結果をもたらすような増税は、結果的に財政再建を失敗させるというのがわかっているんですね。なんか、日本はまだその議論から脱せなくてずっとこの話しているなって感じがしています」(嶋津氏)
それに対し、「どれくらいしているんでしょうね。プライマリーバランスって」と寺島アナウンサーの反応。「私がこの仕事を始めてもう20年超になりますけど、日本の財政は危機で破綻するってずっと言っているので……」と嶋津氏が話した際には、「(政府は)現実見てくださいと」と寺島アナが補足。
「今年度のプライマリーバランスの赤字が40.1兆円という内閣府の試算が発表され、日本の債務残高はGDP(国内総生産)比250%を超える世界的にも突出した水準」との政府の発表も寺島アナが取り上げた。「財政出動でお金がでていくわけですから、プライマリーバランスでキッチリ締めなきゃなんて言ったら景気良くなるわけがない」と嶋津氏は政府の発表について指摘し、コロナによる経済不況やデフレがGDP比の高さの原因になっていると訴える。
「増税の話をして誰か喜ぶのか。国民側もそれを求めているというのは、なかなかすごいことだなといつも思って見ています」(嶋津氏)
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。 またYouTube公式チャンネルではLIVE配信と、放送後にアーカイブでお楽しみいただけます。
2021/06/10/木 05:00-06:00 | おはよう寺ちゃん 5時~6時 | 文化放送 | radiko
2021/06/10/木 06:00-07:00 | おはよう寺ちゃん 6時~7時 | 文化放送 | radiko