兵庫県知事をめぐる問題。誰も県民を見ていない?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、今週は長野智子がお休み。9月9日(月)は角谷浩一(政治ジャーナリスト)、鈴木純子(文化放送アナウンサー)のコンビで、兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる問題を特集した。日本維新の会が辞職と出直し選挙を申し入れ、自民党は辞職を申し入れる方針を決定、といった状況だが、知事は県庁で記者団に対し、辞職要求に応じない構えを見せた。
鈴木純子「(斎藤知事は批判や指摘を)真摯に受け止め反省すべきところはするが、進めるべき予算、事業などしっかりやる、と。この問題、どう決着していくのでしょうか?」
角谷浩一「純子さんもそうだろうし、百条委員会を垣間見た人たちはみんな、チャットGPTのように表情も変えず『私は悪くありません』と言い続ける知事にビックリしたと思うんです。もともとこの知事は維新で出ているんですけど自民党がすごくバックアップしていて。議会も自民党と維新の共同で知事を支えている状況です。今年3月ぐらいからくすぶってはいたけど、維新が『なんとかなるだろう』と手を下さなかった時期があまりに長かったから、事態が深刻になっていった」
鈴木「はい」
角谷「その間におねだり疑惑、えばっている疑惑などが出てきた。いま百条委員会の委員長は自民党の県議で厳しく追及している。でも県民からすると、どの口が言う、という感じもあるんです。業務的に、こういう立場で言っています、ということで理屈は通るかもしれない。でもきょうのニュースを見ても『辞職と出直し選挙』という、よくわからない説明でしょう? なんでこう言うか。知事から『じゃあ議会を解散しましょう』と言われたら怖いから、言いたがらないんです。あなたが辞めるだけで収めてくれよ、と」
鈴木「自分たちの身にも危険が及ぶのは避けたい」
角谷「そのとおり。『あなたたちはずっと知事を支えていたじゃないか』と県民は知っている。自民党もいま県議会を解散されると都合悪い、という気持ちになるでしょう。維新も自分たちが支えている知事ですから『このあとどうする』となると、自民と維新は解散されたくない。知事だけ辞めて、知事の選挙だけしてもらいたい、と。出直しというのは、辞めてもらったあと、もう1回『自分が出る』と言わせないための仕掛けもあるんだと思います」
鈴木「はい」
角谷「斎藤さんだけ辞めてくれればうまく収まりますから、といったことをいま言っているけど、県民からすれば『議会も都合いいことばかり言っていてはダメじゃないの?』と。副知事や知事を支える幹部たちも、乗っかった部分がたくさんある。斎藤知事の前の井戸知事時代は20年続いている。井戸さんにお世話になった人も県庁にいっぱいいるわけです」
鈴木「ええ」
角谷「そのときどちらかというと主流派にいなかった人たちが、いま斎藤さんについてやっている。前任者との関係による駆け引きも県庁内に少しあるみたいなんですね。こうなると『みんな自分の都合や保身ばかりで県民のほうを向いているのかしら』となります」
鈴木「そうですよねえ」
角谷「政治って、殊に地方自治というのは県知事にすごく大きな権限があります。同時に二元代表制ですから、県議会の議員も県民に選ばれているから両方は対等のはずなんですけど、こうやって知事が突っ張るとモノが動かなくなるんですね。不信任案は通るかもしれないけど、知事に不信任案を叩きつけて『解散だ』と言われたら困るから、じつは一部の自民党の議員は知事を守ろうとする人も出てくるんじゃないか、と」
鈴木「守るというのは?」
角谷「自分は不信任には賛成しないよ、とか。いろんな駆け引きがあって、これはもうまったく、どこにも県民を見ている節がないんですね」
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