南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表から1カ月…専門家はどう評価する?

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毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお届けしている番組です。

ちょうど1カ月前の8月8日16時42分、日向灘を震源とするマグニチュード7.1(モーメントマグニチュード7.0)の地震が発生。
震源域が南海トラフ地震の想定震源域内だったことから、評価検討会が開かれ、19時15分気象庁は運用が始まってから初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。

その後8月15日の17時に政府としての特別な呼びかけが終了するまで、和歌山県などの海水浴場が閉鎖され、花火大会が中止になったり、交通機関も影響を受けました。
JR東海は、東海道新幹線の三島―三河安城間で速度を落として運転し、特急列車も一部運休。JR東日本も東海道線や伊東線、中央線などの一部区間で、小田急線も本厚木ー小田原間で速度を落とし運転。初の臨時情報は社会生活にも影響を与えました。

名古屋大学名誉教授で、南海トラフ地震臨時情報の制度設計にも携わった福和伸夫先生は、日本記者クラブで記者会見し
まったく初めてで、ほとんど周知されていなかったのにも関わらず、国民の行動は比較的冷静だったと述べました

また「ここで周知ができた。これを機に備えを進めてほしい。臨時情報は事前対策を進めるために必要だった」とも…。

確かに、この情報がどういうものなのか知らない方も多く、事前に「巨大地震注意」が出たときに、どうするのか具体的に決めていなかった自治体もあり、課題も明らかになりました。
福和先生は「事前対策が肝心。臨時情報が出たときにどうするか、決めていたところは混乱することなく海水浴場を使うことができた。
知らないとうろたえる。今回多くの人が臨時情報を理解できた。ここがスタートライン。
それぞれのコミュニティで議論して、役割分担をどうするのかなど当事者として解決策を考えないと。正解はない。どこを落としどころにするか、議論すべき
」と…。
自分事としてとらえ、事前対策を進める一歩にしなくてはいけませんね。

一方、気象庁の南海トラフ地震評価検討会は、9月6日(金)の定例会見で
8日の地震で、新たな大規模地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まったが、その後、時間を経るにしたがって低下してきた。
現在のところ、プレート境界の固着状態に通常と異なる特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていない
」と分析結果を公表しました。

さらに平田直会長は
ただし、南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくない。何の前触れもなく、巨大地震が起きる可能性は十分あると思っている」として「日頃からの地震への備え」を呼びかけました。


災害大国ニッポン、災害への備えをできる所から進めておきましょう。

さて、きょう9月8日放送の「防災アワー
先月行われた「こども霞ヶ関見学デー」の様子を紹介しました。
経済産業省では45のプログラムが実施されましたが、防災関連のブースもいくつかありました。
災害時のトイレについて知ろう」というコーナーでは、こども達が、簡易トイレの組み立てにチャレンジ!


輪島塗の今を伝えるコーナー」では、輪島塗のお椀などが並べられ、製造工程や能登半島地震の影響についても展示されていました。




能登の復旧・復興には、まだまだ長い時間がかかりそうです。
聞き逃した方はradikoでぜひお聞きください。

気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子











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